【津高本院】不妊治療のページです
#研究論文ご紹介 の記事
未来の家族を守る選択 ― 遺伝情報と生殖医療のいま
「ドナー選びの新しい基準:遺伝子キャリアスクリーニングとは?」 妊娠を望む方々の中には、卵子や精子の提供(ドナー)を利用して授かりたいと考える方も少なくありません。そんな中で、近年注目を集めているのが「リプロダクティブ・ジェネティック・キャ
治療を選ぶのはあなた―――本当の『生殖の自由』を考える
🌷はじめに 「自然に妊娠したい」「体にやさしい治療をしたい」――妊活中の方なら、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか? 最近、アメリカでは「回復的生殖医療(Restorative Reproductive Medicine:RRM
高品質で安心――“バイオシミラー”が支えるこれからの生殖医療
🌷はじめに 体外受精(IVF)の治療でよく使われるお薬に、**フォリトロピン・アルファ(follitropin alfa)**という卵巣刺激ホルモンがあります。これは卵を育てる「FSH(卵胞刺激ホルモン)」を人工的に再現した“バイオ医薬品”
“研究の質”があなたの未来を変える――信頼できる妊活情報とは?
🌷はじめに インターネットやSNSで不妊治療の情報を調べていると、「〇〇の治療で妊娠率アップ!」という記事をよく見かけます。 けれど――「それって本当に信頼できる情報なの?」と感じたことはありませんか? 今回ご紹介するのは、不妊治療の研究デ
培養室の中だけじゃない、“手の技術”が命を救う場面もある
🔍「生殖医療=体外受精」だけではない世界 最近の生殖医療の進歩は本当にめざましいものがあります。顕微授精(ICSI)、胚の遺伝子検査(PGT)、凍結保存(vitrification)――これらの技術のおかげで、妊娠の可能性は格段に高まりまし
ICSIとIVFってどっちが良いの?最新大規模研究から見える“本当のところ”
体外受精に進むとき、「ICSI(顕微授精)」にするべきか、「IVF(ふつうの体外受精)」で良いのか……迷われる方はとても多いです。 今回は、824名のカップルをランダムに割り付けて比較した最新の大規模研究(INVICSI試験) から、「重症
人工授精の回数目安は?
「人工授精からのステップアップは、何回くらいが目安ですか?」と診察室でよく質問をお受けします。 人工授精は、精子の進行を手助けするもので、女性の排卵日に合わせ、精液からできるだけ多くの精子を洗浄濃縮して集め、その精子液を子宮内に注入します。
AIが変える不妊治療のこれから──“基盤モデル”とは?
🌱AIが不妊治療をどう変えるの?──“基盤モデル”という新しい波 最近、「ChatGPT」や「画像を見て説明してくれるAI」などを耳にした方も多いでしょう。実は、こうした“AIの進化形”が、体外受精や顕微授精などの生殖医療(ART)の現場に
いつか赤ちゃんが欲しいあなたへ 卵子凍結の最新データを読み解く
「いつか赤ちゃんが欲しい」「けれど、治療やお仕事、人生のタイミングがあって、今すぐは難しい…」そんな場面で耳にする機会が増えた 卵子凍結(oocyte cryopreservation)。 今回ご紹介する最新の大規模研究では、
AIで広がる“遺伝の理解”と“選べる医療”――誰もが納得できる妊活を目指して
🌷はじめに 「遺伝のことって、むずかしそう…」そう感じる方は多いのではないでしょうか? 生殖医療の現場でも、遺伝子検査(PGTやキャリア検査など)に関する説明は専門的で、患者さんにとっては「わかりにくい」「怖い」と感じることもあります。 そ
PGT-Aでの“部分的な異常”、本当に心配?最新データをやさしく解説
“胚のフラジャイルサイト”って知っていますか? 妊娠を目指して治療を頑張っておられる皆さん。今日は少し専門的に聞こえるかもしれませんが、実は「あなたの妊娠のチャンス」を理解する上でとても大切な最新研究のお話を、できるだけやさしくまとめました
ホルモンとAIがつなぐ未来――プロゲスチン刺激法の進化
🌼はじめに 体外受精(IVF)では、卵巣を刺激して複数の卵子を育てる「卵巣刺激」が欠かせません。その方法のひとつに、最近注目を集めているのが「プロゲスチン・プライム法(Progestin-Primed Ovarian Stimulation
採卵のための卵巣刺激「PPOS法とアンタゴニスト法」
🌼はじめに 体外受精の中でも「卵巣刺激」は、とても大切なステップです。卵巣を刺激して複数の卵子を育てることで、より高い妊娠率が期待できます。 これまでの主流は、「GnRHアンタゴニスト法」という方法でした。しかし、近年では「プロゲスチン・プ
プロゲステロンで卵を育てる?――ホルモンを味方にした次世代の治療
🌼はじめに 体外受精の中でも「卵巣刺激」は、とても大切なステップです。 卵巣を刺激して複数の卵子を育てることで、より高い妊娠率が期待できます。 これまでの主流は、「GnRHアンタゴニスト法」という方法でした。 しかし、近年では**「プロゲス
排卵周期とホルモン補充周期、どちらが良い?最新研究でわかる“正しい選び方”
「凍結胚移植(FET)」は、いまや妊娠を目指す多くのカップルが経験する治療になりました。ただ、その際に必ず出てくるのが── 自然周期(排卵周期)で移植したほうがよい? 人工周期(ホルモン補充周期)で移植したほうがよい? という疑問です。最新
3日連続測定と1日測定―新しい研究が示す『黄体ホルモン測定』の意味
💭新鮮胚移植のとき、「黄体ホルモン(P4)」ってなに? 体外受精の治療を受けると、採卵の少し前に「血中プロゲステロン(P4)」を測ることがあります。これは、卵胞の成熟や子宮内膜の準備が進みすぎていないかを確認するための検査です。 もしこのホ
子宮と胚の“タイミング合わせ”が、妊娠のカギ
妊娠は「受精卵の質」だけでなく、「子宮の準備状態(内膜のタイミング)」にも大きく左右されます。 排卵後、女性の体ではエストロゲンに続いてプロゲステロンというホルモンが分泌され、子宮内膜が「赤ちゃんを迎える準備」を始めます。この
プロゲステロンが高すぎても低すぎてもダメ?――ホルモンバランスと胚移植の関係
🌷はじめに 体外受精(IVF)を受ける際、採卵後の「移植のタイミング」や「ホルモンバランス」はとても大切です。中でも、妊娠をサポートする“黄体ホルモン(プロゲステロン)”の量は、着床の成功率に深く関係しています。 今回の研究では、採卵後の新
生理前に飲んだ薬が胚に影響?アセトアミノフェンと初期発育の話
🌱赤ちゃんを望む方へ ― “タイレノール(アセトアミノフェン)”と妊娠初期の知られざる関係 ― 「妊娠を考えているとき、どんな薬なら使っても大丈夫?」多くの方が抱く疑問のひとつです。 市販の解熱鎮痛薬 アセトアミノフェン(パラセタモール)
内膜が薄いと言われたあなたへ:最新研究から見えた希望
「内膜の厚さって妊娠にどれくらい関係ありますか?」「内膜が薄いと言われました…着床できますか?」というご相談はとても多いものです。 今回は、3万件以上の胚移植データを解析した最新の大規模研究を、できるだけわかりやすくご紹介します。必要以上に
内膜を“育てる力”が戻る?着床改善に期待のHPLとは
「移植はうまくいっているのに、なぜ着床しないんだろう…」「内膜が薄いのを何とかしたい」そんな不安を感じている方に、今日は新しい研究から“少し未来の治療のヒント”をお届けします。 ■ PRP(多血小板血漿)は聞くけど…HPLって何? 不妊治療
精子DNAと環境の最新研究::妊活中の男性が知っておきたいこと
2万件以上の精液データから見えた「PM2.5と精子のDNA」の話 「最近、男性不妊が増えているって聞くけど…環境って関係あるの?」 今回ご紹介するのは、アメリカで21,851件の精液検査を解析した最新研究。大気中の微小粒子状物質 PM2.5
膣の中のバランスが、妊娠力を左右する?細菌性膣症と精子の意外な関係〜
「健康な膣の中には、“ラクトバチルス”という善玉菌がたくさん住んでいて、酸性の環境を保っています。」ところが、このバランスが崩れ、「ガードネレラ」や「プレボテラ」といった菌が増える状態を**細菌性膣症(Bacterial Vaginosis
慢性子宮内膜炎と妊娠の関係――治療の新しい考え方
🌷はじめに 「子宮の中の炎症(慢性子宮内膜炎)」という言葉を耳にしたことはありますか?不妊治療中に「慢性子宮内膜炎があります」と言われ、不安を感じた方も多いかもしれません。 近年、子宮の軽い炎症が着床障害や流産の原因になる可能性があると注目
反復着床不全(RIF)と焦らなくて大丈夫。着床しないときにまず確認したいポイント
体外受精(IVF)を受けていると、「良い胚を戻したのに着床しなかった…」「これは反復着床不全なの?」と心配になる方も多いと思います。 今回ご紹介する論文は、“RIF(反復着床不全)という診断が、時に誤解を生むことがある” という、とても大切
がんを乗り越えて、自然妊娠できる?――最新研究から見える希望
🌷はじめに がんを経験したあとでも、「いつか自分の子どもを授かりたい」と願う方は少なくありません。しかし、多くの方が「治療後に妊娠できるの?」「体への影響は?」と不安を抱えています。 今回ご紹介するのは、2025年に発表されたがんサバイバー
がん治療と“未来の命”を両立する新しい手術――子宮・卵巣の“お引っ越し”
🌱がん治療と「未来の家族」を守るために がん治療の進歩により、若い世代でも治る直腸がんが増えています。 しかし、治療の一部である骨盤部への放射線治療は、卵巣や子宮に強いダメージを与え、将来の妊娠が難しくなることがあります。 「
がん治療と“未来の命”を守る、新しい手術のおはなし
「がん治療と“未来の命”を守る、新しい手術のおはなし」 がんの治療法が進歩する一方で、「治療後に子どもを持てるのか?」という不安を抱く女性も少なくありません。 特に骨盤内の放射線治療は、卵巣や子宮にダメージを与えるため、将来の妊娠が難しくな
がんばりすぎていませんか? 心の負担が治療結果に影響する理由
妊活や不妊治療に取り組むカップルの皆さん。治療のステップが進むほど、期待と不安が入り混じり、気持ちが揺れ動くこと、ありますよね。 “心理的なつらさ(ストレス)が、治療の中断に強く影響している”ということが改めて明らかになりました。 🧠 不妊
心のケアが治療のカギ?――不妊治療とストレスの意外な関係
🌷はじめに 不妊治療を続ける中で、「心が折れそう」「もう続けられない」と感じたことはありませんか?実は、それはあなただけではありません。 研究によると、不妊治療中の女性の半数以上がうつ症状を経験し、7割以上が強い不安を感じていることが分かっ
“子どものころの経験”が大人になってからの体に影響?―――子宮内膜症との意外な関係
🌷はじめに 子宮内膜症は、生理痛や不妊原因にもなる身近な病気です。これまで、ホルモンや遺伝、生活習慣などがリスクとして知られてきましたが、新しい研究が、**「幼少期の心の傷(Adverse Childhood Experiences:ACE
子宮内膜症と免疫の関係って?新しい治療のヒント「ハルミン」とは
子宮内膜症があると、痛みだけでなく、妊娠に影響が出ることもあり、治療を続ける中で不安になる方も多いと思います。 今回ご紹介するのは、「子宮内膜症の炎症を抑える新しい可能性」 を示した研究です。しかも注目されたのは──植物由来の成分 “ハルミ
子宮内膜症の女性は、なぜ“しんどさ”が続くの?
子宮内膜症に悩む女性から、 「生理痛がつらいのは仕方ないのかな」 「治療していても、気分が落ち込みやすい…」 「年齢を重ねれば楽になるって聞いたけど、本当?」 こうした声をよく耳にします。 今回ご紹介するのは、フィンランドで 46年にわたり
子宮内膜症の痛みは人それぞれ。でも、それには理由があるかもしれません
🌷はじめに 「生理痛がつらい」「排便のときに痛い」「性交時に痛みがある」――。これらの症状は、**子宮内膜症(endometriosis)**のサインかもしれません。 でも、「痛みが強い=重症」ではないという話を聞いたことはありませんか?実
治療後も“希望”はある! がん経験者のための不妊治療とは?
🌱がんを乗り越えたあとにも「家族をつくる希望」を 医療の進歩により、がんは「治る病気」になりつつあります。その一方で、**治療の影響で妊娠しづらくなる(妊孕性低下)**ことが問題となっています。抗がん剤、放射線、手術は命を救うために欠かせま
がんと妊活、どちらもあきらめない! 〜“温存”という新しい希望〜
🌱がん治療と“未来の家族”のこと がん治療の進歩により、若い世代でも「治るがん」が増えています。しかし一方で、抗がん剤や放射線治療によって卵巣や精巣の機能が低下し、不妊になる可能性があることも知られています。 近年では、「治療後も将来、子ど
卵子・精子を守るだけじゃない。心も支える“がんと妊よう性”の新しい考え方
🌱がん治療と「未来の家族」 がんの治療は命を守るために欠かせません。けれど同時に、治療によって卵子や精子がダメージを受けることがあり、「将来、子どもを持てるのだろうか」と不安に感じる方が少なくありません。 とくに思春期~40歳前後の世代(A
精子が弱いと言われた…そんな時に知ってほしい凍結の真実
「凍結精子は質が下がるって本当?」「新鮮精子と比べて妊娠率はどうなの?」 体外受精(IVF)を検討される方から、凍結精子に対するご不安をよくお聞きします。特に精子の所見が良くない方ほど、「できれば新鮮精子を使いたい」と考えるのは当然のことで
“受精していないかも”と思った卵から、赤ちゃんが生まれる可能性
🥚「受精していないかも」と言われた卵、実は… 体外受精の翌日、顕微鏡で卵を観察すると、ふつうは**2つの前核(pronucleus)が見えるのが「正常な受精卵(2PN)」です。ところが、全体の約1割では0個(0PN)または1個(1PN)**
“体型”と“妊娠しやすさ”の関係――BMIだけでは見えない新しい視点
🌷はじめに 妊活をしていると、「やせすぎるとよくない」「体重を減らすと妊娠しやすくなる」と聞くことがあります。でも実際、どんな“体型”が妊娠にとって良いのか――はっきりわからない人も多いのではないでしょうか? 今回ご紹介する最新研究では、「
ゆっくり育つ“7日目胚”が教えてくれること
🕊️「着床しなかった…なぜ?」という問いの奥にあるもの 胚移植後の妊娠判定で「陰性」と聞くと、多くの方が思うのは――「なぜ? 卵が良かったのに、なぜうまくいかなかったの?」という疑問です。 実は、生殖医療の現場でもこれは難しい質問のひとつ。
発育スピードと胚の質の関係「時間がかかるのは?」
🕊️「少し遅い」だけで、ダメじゃない 体外受精の過程で、受精卵(胚)の成長スピードには個性があります。ある胚は5日目にはしっかりと「胚盤胞」になりますが、別の胚は6日目、7日目とゆっくり進むこともあります。 この「ゆっくりタイプ」の胚は、以
妊娠しやすいカラダづくり:体重のちょっとした変化が未来を変えるかも?
「少しの体重変化が、あなたの妊活を後押しするかもしれません」 最近、イギリスで約25万人もの女性を対象にした大規模な研究が行われました。この研究では、BMI(体格指数)が25以上の、いわゆる「肥満または過体重」に分類される女性を対象に、体重
ダイエットは女性だけの話じゃない!
🧬「卵子は女性のもの」ではなく、「命はふたりで育むもの」 体外受精の話になると、「卵子の質」が話題になることが多いですよね。でも、“精子の健康”も同じくらい大切です。 今回紹介する研究では、**「男性の肥満が、受精卵の発育や妊娠経過にどんな
卵子だけじゃない!“子宮の年齢”も妊娠に関係しているかも?
妊娠のしやすさが年齢とともに低下することは、多くの方が耳にしたことがあると思います。これまで、その原因は主に「卵子の老化(卵巣年齢)」によるものとされてきました。ところが、近年の研究で、妊娠率の低下は「卵子」だけの問題ではないことが分かって
卵子を若返らせても、体の“年齢”は嘘をつかない?
最近では「卵子提供」によって高年齢でも妊娠を目指せる時代になりました。しかし――体の“受け入れる力”までは、卵子提供では補えないことがわかってきています。 アメリカで行われた大規模研究(Fertility and Sterility 202
卵子をすべて使う必要はない?――未来の選択を残すための新しい考え方
🥚「凍結卵子、何個解凍すればいいの?」という悩み 卵子凍結をしている方の中には、将来使うときにこんな疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。 「全部の卵子を一度に解凍したほうがいいの?」 「少しずつ使うと結果は悪くなる?」 今回ご紹介するの
凍結卵子をどう使う?戦略的な“解凍”のすすめ
「何個凍らせる?」から「何個あたためる?」へ 近年、卵子凍結(卵子の冷凍保存)は、将来の妊娠に備える“希望のバンク”として広がっています。 これまでの焦点は「何個凍らせておけば安心か?」という点でしたが、最新の研究では新しい視点――つまり、
キャリアを取るか、子どもを取るか」…本当に二者択一?
医師になるまでの道のりは長く、過酷です。学生時代から研修医、専門医取得、キャリア形成へと続く道の中で、多くの医学生や若手医師が「いつか子どもを持ちたい」と思いながらも、現実には「今は無理」と先送りしてしまう――。 このテーマを掘り下げたのが
“いつか”のために、今知っておきたい――若い世代の妊孕力のこと
🌷はじめに 近年、医師を目指す若い世代の間でも、「いつか子どもを持ちたいけれど、いつがいいのかわからない」という声が増えています。 医学生や研修医の多くは、まさに生殖の適齢期とキャリア形成期が重なる世代。 長時間労働や経済的負担、そして“妊
亜鉛と妊活:男性編
亜鉛は、生体内の200種類以上の酵素を補助するものとして重要な金属です。 生殖医学の領域で亜鉛は、受精、着床、妊娠予後に有利に作用することが知られています。 精液中には前立腺から分泌された亜鉛が存在しており、精子クロマチンの安定
“もう一度授かる”ために。流産の真実を見つめる新たな医療のかたち
🌱流産は「特別なこと」ではありません 妊娠初期(12週まで)の流産は、全妊娠の約3割に起こるといわれています。多くは「染色体異常」が原因で、母体のせいではありません。けれど、「なぜ流産したのか」を知りたいという思いを抱く方も多いでしょう。
“同じ方法”を続けるより、少し変えてみる勇気――子宮環境のリセット効果とは?
🌱「前回うまくいかなかった」そのとき考えるべきこと 体外受精(IVF)・凍結胚移植を経験された方の中には、「受精卵のグレードも良かったのに、なぜ着床しなかったの?」と感じる方も多いでしょう。 この研究では、1回目の凍結胚移植(FET)がうま
②中隔子宮と妊娠へのヒント(子宮の“リズム”を見つめて)
🌷はじめに 「子宮の形に少し違いがある」と聞くと、びっくりする方も多いかもしれません。 なかでも「中隔子宮(ちゅうかくしきゅう)」は、子宮の内側が薄い壁(中隔)で仕切られている状態を指します。この中隔があることで、受精卵が着床しづらくなった
①中隔子宮と妊娠の関係(子宮の“動き”を見つめて)
🌷はじめに 妊活を進める中で「子宮の形が少し違う」と言われることがあります。 その一つが「中隔子宮(ちゅうかくしきゅう)」。子宮の中が薄い壁(中隔)で仕切られている状態を指します。 これがあると、受精卵が着床しづらくなったり、流産しやすくな
測ることで見えてくる未来、、、、体外受精の“今”を世界のデータから
🌍「測ること」から始まる進歩 私たちが今、安心して体外受精(ART)を受けられるのは、世界中の医師や研究者が“記録と共有”を続けてきたからです。 今回のICMART(国際生殖補助医療監視委員会)の報告を振り返る論文では、世界83か国・3,3
体外受精のいま。世界の医療が教えてくれる“希望の確率”
🌍世界中で“体外受精”はどこまで広がっている? ICMART(国際生殖補助医療監視委員会)は、世界各国の体外受精(ART)データを集めて解析しています。今回の最新報告(2019年の治療データ)では、世界77か国から約400万件のARTサイク
“安心できる不妊治療”とは? SART加盟クリニックの強みを知ろう
🧡“どこで治療するか”が、結果を左右する? 不妊治療を始めるとき、「どのクリニックを選べばいいの?」と悩む方は多いですよね。 アメリカでは、SART(Society for Assisted Reproductive Technology)
希望は世界共通――ARTで広がる“命をつなぐ”医療の力
🌍世界の“体外受精(ART)”はいま ICMART(国際生殖補助医療監視委員会)は、世界中の体外受精(ART)データを収集・解析し、「世界でどれくらいのカップルが治療を受け、どのような結果が出ているのか」を定期的に報告しています。 今回の報
ビタミンDだけじゃない!“ビタミンD結合タンパク”が妊娠に関係するってホント?
☀️ビタミンDと妊活、実は奥が深い 「ビタミンDが妊娠に良い」と耳にしたことはありませんか? 確かに、ビタミンD不足があると、排卵障害や妊娠率の低下、流産のリスク上昇などが報告されています。 でも実は、「ビタミンDそのもの」だけでなく、それ
妊活中のみなさんへ:インフルエンザ流行シーズンに気をつけましょう!
季節の変わり目で朝晩が冷えるようになってきましたね。岡山県では【令和7年10月30日】に「インフルエンザ注意報」が発令されました。いよいよ流行シーズンの始まりです。 妊活中のみなさんにとって、体調管理はとても大切。今回は、インフルエンザ流行
ビタミンDを秋の味覚で効果的に摂取
ビタミンD を多く含む食品は? ビタミンDを多く含んでいる食品は、魚類(サケ、マグロ、サバといった脂肪性の魚)や きのこ類です。野菜や穀類、豆、イモ類にはほとんど含まれていません。きのこ類の中でははきくらげの他に、まいたけ、エリンギが、特に
男性妊活とビタミンD
ビタミンDの受容体は、精巣、前立腺、精子にあり、ビタミンDの代謝酵素は、精巣、射精管、成熟精子、精巣のライディッヒ細胞に存在します。 Relevance of vitamin D in reproduction. Hum Reprod 20
女性妊活とビタミンD
ビタミンDは脂溶性ビタミンの一つで、キノコ類など植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と魚介類や卵などの動物由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)があります。 これまでビタミンDは、主にカルシウムとリンの吸収を促進し、骨をつく
知られざるドナーの思い「生まれてきた子どもと向き合うとき」
はじめに 体外受精や第三者からの卵子・精子提供は、多くのご夫婦に希望をもたらします。 一方で、提供する側であるドナーの思いはあまり知られていません。 最新の研究では、過去にドナーとなった方々が 年月を経て、自分の寄付を「一生にわたる責任」だ
余った卵子どうする? 卵子凍結の“その後”を考える
はじめに 卵子凍結は、将来の妊娠の可能性を広げる大切な選択肢です。 しかし実際には「凍結した卵子を使わずに余らせてしまう」ケースも少なくありません。 最新の研究では、多くの人が「卵子を凍結する決断は簡単だったけれど、余った卵子の扱いを決める
子宮内膜症 (名前は1つでも症状は多彩)
子宮内膜症と聞くと「生理痛が強い病気」というイメージがあるかもしれません。 でも実は、子宮内膜症は人によって現れ方がとても違う病気なのです。 🔎 子宮内膜症の基本 女性の 10〜20% がかかるといわれています。 子宮の内側にあるはずの内膜
IVFラボの「安全を守る新技術」電子 witnessing システムとは?
体外受精(IVF)を受けるご夫婦にとって大切な「安全を守る仕組み」についてご紹介します。それは 電子 witnessing システム(Electronic Witnessing System: EWS) という新しい技術です。 「witne
IVFラボから学ぶ「チームの力」と「リーダーシップ」
こんにちは。今日は少し視点を変えて、不妊治療に取り組むご夫婦に向けて「IVF(体外受精)ラボのリーダーシップ」についてご紹介します。いきなり「ラボのリーダーシップ?」と思われるかもしれません。ですが実は、培養士やラボのチームが持つ「組織力」
妊娠に影響する? 卵巣マイクロバイオームを調べてみたら
体外受精(IVF)や不妊治療を受けていると、「腟や子宮内の菌が妊娠に影響する」と耳にすることがあるかもしれません。実際に、腟内には ラクトバチルス属(乳酸菌) が優勢であることが妊娠に良い影響を与えると知られています。 では、卵巣にも「常在
凍結胚をあたためる新しい方法 ― ユニバーサルウォーミングとは?
今日は体外受精(IVF)を受けるご夫婦に向けて、「凍結胚を戻すときの新しい方法」についてお話しします。それは ユニバーサルウォーミング(Universal Warming) という考え方です。 胚を「凍らせて守る」技術 ― ガラス化保存 体
インフルエンザワクチンの防腐剤(チメロサール):不安とその根拠を徹底解説
【ご質問内容】 インフルエンザワクチンを接種しましたが、防腐剤であるチメロサールの存在を後から知り、水銀や自閉症との関連について心配です。これについて教えてください。 【当院からの回答】 まず、安心していただきたいのは、現在、日本で使用され
どちらを選んでも安心? レトロゾールとタモキシフェン併用の効果
乳がんは女性に最も多いがんのひとつで、治療により将来の妊娠に影響することがあります。特に化学療法は卵巣機能を低下させるため、治療開始前に卵子や胚を凍結しておく妊よう性温存(fertility preservation) が推奨されています。
自然に寄り添う?ホルモンを使う?〜凍結胚移植に向けた子宮の準備方法〜
妊活を進めていく中で、多くのカップルが経験するのが**凍結胚移植(Frozen Embryo Transfer:FET)**です。 このとき大切になるのが、子宮内膜をどのように準備するかという点です。実は「自然に任せる方法(自然周期)」と「
PCOSと妊娠高血圧 ― 出産後も続くリスクにご用心
🌸 はじめに 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、月経不順や排卵障害、不妊の原因としてよく知られていますが、実は「妊娠中の合併症」や「出産後の健康リスク」にも深く関わっていることがわかってきました。特に妊娠高血圧症候群(PHD)を経験したPC
PCOSと不妊治療 ― なぜ病院によって使う薬が違うの?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は排卵障害の代表的な原因で、挙児希望カップルの中でも多くの方に関係する病気です。 排卵をうながすお薬として、クロミフェン(クロミッド®など)やレトロゾールが使われていますが、「病院によって使う薬が違う…」と感じ
②PPOS法とアンタゴニスト法、どちらが良い?研究が示す最新知見
体外受精採卵のための調節卵巣刺激法(卵巣刺激と排卵抑制)で、現在よく使われる2つの方法 💉 GnRHアンタゴニスト法 💊 PPOS法(プロゲスチン併用卵巣刺激法) この2つの方法、どちらが優れているのでしょうか? 🔹研究からの最新の声 香港
①PPOS法とアンタゴニスト法、どちらが良い?研究が示す最新知見
体外受精(IVF)の成功に欠かせないステップのひとつが 調節卵巣刺激(卵巣刺激 ・排卵抑制)です。卵巣を刺激して複数の卵子を育てること、採卵前に排卵してしまうことを防止することで、より妊娠の可能性を高めることができます。 従来よく
超音波に映る未来 ― 胚や胎嚢サイズと妊娠の行方
体外受精(IVF)で妊娠された方にとって、妊娠初期の超音波検査はとても大切なステップです。心拍が確認できるまでの数週間は特に不安が大きく、「赤ちゃんは大丈夫かな?」と気持ちが揺れる時期でもあります。 今回の研究では、IVFで妊娠した女性11
不妊治療における「学びの宝庫」Notifyライブラリーとは?
体外受精や人工授精などの**生殖補助医療(MAR: Medically Assisted Reproduction)**に取り組むご夫婦にとって少し耳慣れないけれど、とても大切なお話をご紹介します。それは「Notifyライブラリー」という国
未来の体外受精を支えるAI解析―胚選択の透明性と希望
体外受精に取り組むカップルにとって、「どの胚を移植すれば妊娠につながるのか」という疑問はとても大きなものです。 これまで胚培養士は、胚の形や分割スピードを目で観察しながら選んできました。しかし最近では AI(人工知能)を用いた解析 が進み、
体外受精 × AI:あなたに合った“オーダーメイド妊活”の可能性
近年、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)などの生殖補助医療(ART)は大きく進歩しています。その中でも、いま特に注目されているのが 「人工知能(AI)」の活用 です。 これまでのAIは、例えば「精子の動き方」や「胚の形の評価」など、ひ
国際基準で変わる!妊娠率や治療成績の見方
不妊治療の言葉、世界で統一へ ICMART新基準 体外受精や顕微授精といった生殖医療は、世界中で行われています。しかし、国や施設によって「用語」や「定義」が少しずつ違うため、治療成績の比較や研究データの共有が難しいという課題がありました。
精子の遺伝子からわかる「男性不妊」の新しい手がかり
👨赤ちゃんを望んで頑張っているのに、なかなか授からない… そんなとき「男性側の要因」も半分近く関わっていることが知られています。 これまでの男性不妊検査は、 精子の数(精子濃度) 動き(運動率) 形(形態) といった「見た目の指標」が中心
「フレッシュ」or「フリーズ」? 体外受精での精子の使い方
体外受精(特に顕微授精:ICSI)においてよく話題になる、**「新鮮な精子を使うか」「凍結した精子を使うか」**についてお話しします。 🍼なぜ凍結精子を使うの? 📅 スケジュール調整が楽になる 採卵の日に合わせて精子を用意するのは大変。事前
染色体のバランス異常と「キャリア」って?
妊活や体外受精(IVF)の中で、**染色体検査(PGT:着床前遺伝学的検査)**という言葉を耳にされた方もいるのではないでしょうか。 今日はその中でも少し特殊なテーマ、「均衡型染色体転座(balanced chromosomal rearr
「カオス胚」ってなに? ― 最新研究から見えた可能性
体外受精で育った受精卵の中には、染色体の数に大きな異常があるものがあり、それを**「カオス胚」と呼びます。 「カオス=混乱」という名前から、「もう使えない胚」と思われがちですが、実は最新の研究では希望の光もある**ことがわかってきました。
「モザイク胚ってなに?誤解されやすい最新研究からの学び」
👶妊娠を希望するカップルにとって、体外受精(IVF)で得られる胚が「正常」か「異常」かは大きな関心ごとです。最近では**着床前遺伝学的検査(PGT-A)**という技術で、胚の染色体の数の異常(異数性:アニュプロイディ)を調べることが一般的に
時代の変化と妊活 ― PGT(着床前遺伝学的検査)を選ぶ理由
最近、妊活の場面で「PGT-A(着床前遺伝学的検査)」という言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか?この検査は受精卵の染色体の数を調べるもので、流産や妊娠不成立のリスクを減らすことを目的としています。 🔎 PGT-Aってどんな検査? 🍼
PGT-A(着床前遺伝学的検査)は妊娠への近道?
👩⚕️生殖医療専門医の視点から、最新の研究をもとに「PGT-A(Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy:着床前遺伝学的検査)」について、挙児希望カップルのみなさまへわかりやすくお伝えし
レトロゾールを使った人工授精での最適なタイミング(卵胞の大きさと妊娠率 )
赤ちゃんを望むカップルの中で、人工授精(IUI)を検討される方も多いと思います。 特に排卵を促す薬として「レトロゾール」を使用するケースが増えていますが、 「いつ、どのタイミングでhCG注射(排卵誘発)を打つのが一番良いの?」というのは、実
妊活中のみなさまへ:インフルエンザ・コロナワクチン最新情報
季節の変わり目、体調を崩しやすい時期になってきましたね。 今回は、厚生労働省から発表された最新のワクチン供給情報について、妊活中の方にも安心して読んでいただけるようにまとめました。 🦠 インフルエンザワクチンについて 💉 今年の供給は十分!
クロミフェンからレトロゾールへ ― 妊活治療の新しいスタンダード?
排卵障害に対して長年使われてきたお薬に「クロミフェン(Clomiphene Citrate)」があります。でも近年、「レトロゾール(Letrozole)」という薬がより有効だと注目され、妊活の現場でも広がってきています。 💊 レトロゾールと
クロミフェン治療と多胎妊娠リスクについて
👩⚕️生殖医療の現場でよく使われる「クロミフェン(クロミッド®など)」は、排卵をうながすお薬として長年使われてきました。特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方などに有効ですが、一方で「多胎妊娠(双子以上)」や「周産期リスク」が増えることが
クロミフェンって安全? 妊娠・出産への影響を最新研究から解説
不妊治療でよく使われるお薬に「クロミフェン(Clomiphene Citrate, CC)」があります。排卵を促す効果があり、50年以上も使われ続けてきた「定番薬」ですが、最近の研究で「赤ちゃんや妊娠の経過に影響はないの?」という疑問が注目
帝王切開後の瘢痕「イスモセル」と最新手術法“Taurus T法”②
帝王切開を経験された方の中には、その後の妊娠や体調に影響する「イスモセル(子宮瘢痕部のくぼみ)」ができることがあります。 🩺 イスモセルってなに? 帝王切開の傷あとが子宮の内側でくぼみ状になる状態です。 多くは無症状ですが、以下のような症状
帝王切開のキズ跡(CSD)を治す新しい方法「Taurus Tメソッド」①
帝王切開で出産された方の中には、その後「不妊」や「不正出血」に悩まれる方がいらっしゃいます。これは、帝王切開瘢痕部異常(Cesarean Scar Defect:CSD) と呼ばれる状態が原因のことがあります。 今回、日本の研究チームから「
なぜ「欲しい子どもの数」と「実際の子どもの数」に差ができるの?
「子どもは2人くらい欲しいな」と思っていても、実際には1人で終わってしまう…。そんな「理想と現実のギャップ(=フェルティリティギャップ)」が世界中で問題になっています。今日はその背景と、不妊治療を受ける方に関係する大事なポイントをお話ししま