【津高本院】不妊治療のページです
なぜ「欲しい子どもの数」と「実際の子どもの数」に差ができるの?
「子どもは2人くらい欲しいな」と思っていても、実際には1人で終わってしまう…。そんな「理想と現実のギャップ(=フェルティリティギャップ)」が世界中で問題になっています。今日はその背景と、不妊治療を受ける方に関係する大事なポイントをお話しします。
🌍 世界で広がる「少子化」とその理由
- 欧米や日本を含む多くの国では、人口を維持できる水準以下の出生率になっています。
- 理由は大きく2つ:
- 子どもを望まない人が増えている
- 子どもを望んでも、思ったより少ない人数で終わる人が多い
後者がいわゆる「フェルティリティギャップ」です
🧩 なぜギャップが起きるの?
🚪 不妊治療の途中離脱
- 不妊治療は体にも心にも経済的にも負担がかかります。
- 研究では、人工授精などの治療から体外受精(ART)に進む前に25%もの人が治療をやめてしまうという報告があります。
⏳ 2人目不妊
- 最初の子をARTで授かった方も、その後「2人目が欲しい」と思って治療を再開しても、加齢による卵巣機能の低下でうまくいかないことがあります。
- 報告では、ARTで1人目を授かった女性のうち、再度ARTに挑戦する人は**わずか10%**にとどまっています。
💊 ガイドライン通りが必ずしもベストではない
- 例えば子宮内膜症がある場合、「まずは排卵誘発や人工授精から」という指針がありますが、実際にはその段階で多くの人が脱落し、結果的に子どもを持てないリスクが高まります。
🛡️ ギャップを防ぐためにできること
- 👩⚕️ 主治医と「最終的に何人子どもが欲しいか」を共有する
- 🥚 必要に応じて早めにARTに進む(特に年齢や卵巣予備能を考慮して)
- ❄️ 将来を見据えて受精卵を多めに凍結保存する(デュアル刺激やPGT-Aを活用)
- 📖 治療方針は「画一的なガイドライン」ではなく、カップルごとに調整する
🤝まとめ
- 「欲しい子どもの人数」と「実際に授かる子どもの人数」の差=フェルティリティギャップは誰にでも起こり得ます。
- 大切なのは、治療の途中で諦めない工夫と将来を見据えた計画。
- 医師としっかり相談しながら、ご夫婦の理想の家族像に近づけるように進めましょう✨。
📚出典
- de Ziegler D, Sean S, Pirtea P. Mind the gap between desired and actual family size. Fertil Steril. 2025;124(2):235–237. doi:10.1016/j.fertnstert.2025.02.031