【津高本院】不妊治療のページです
いつか赤ちゃんが欲しいあなたへ 卵子凍結の最新データを読み解く
「いつか赤ちゃんが欲しい」「けれど、治療やお仕事、人生のタイミングがあって、今すぐは難しい…」そんな場面で耳にする機会が増えた 卵子凍結(oocyte cryopreservation)。
今回ご紹介する最新の大規模研究では、“何歳で凍結したか” が未来の妊娠率に大きな影響を与えるということが改めて明確になりました。
でも、逆にいえば“若いうちに保存すれば、それだけ未来の選択肢が増える”という前向きなメッセージでもあります。
🐣 卵子凍結の成功率、いちばんの決め手は「年齢」
この研究では、2014〜2023年に行われた 4577周期、3164人分の卵子凍結データ が解析されました。その結果…
⭐年齢別の“融解(解凍)後の妊娠”の成功率(CLBR)
- 35歳未満で凍結:49.0%
- 35〜40歳で凍結:36.8%
- 40歳以上で凍結:17.2%
つまり、
卵子は「凍結時の年齢」で未来の質が決まるということが、改めて確認されたのです。そして、生まれる確率を「1個の卵子あたり」で見ても…
- 35歳未満:4.0%/卵子
- 35〜40歳:3.5%/卵子
- 40歳以上:1.9%/卵子
“少しの年齢差でも、未来のチャンスには大きく影響する”ということがよくわかりますね。
🌼 凍結した理由によって結果は変わるの?
卵子凍結にはいくつか理由があります。
- がん治療前
- その他の医療上の理由
- いわゆる「社会的(ライフプラン)理由」
では、妊娠率は変わるのでしょうか?
🔍結論:大きな差はありません
研究では、
- がん患者:35.6%
- 他の医療的理由:36.0%
- 社会的理由:39.3%
と、大きな差はなく、統計学的にも有意差なし でした。 「病気だから不利」というわけではなく、卵子凍結の結果にいちばん影響するのは “年齢”であることが明確です。
🍀 “今のあなた”にとっての卵子凍結とは?
特にお伝えしたいのは…
- 卵子凍結は「年齢を止めることができる」技術 → 未来の妊娠の可能性を残す、非常に有力な選択肢です
- がん治療の前でも、十分に価値がある → 妊娠率は他の人と大きく変わりません
- 社会的理由でも遠慮はいらない → 自分の人生のタイミングを大切にできます
🌈 挙児希望カップルへのメッセージ
人生には、予想しない出来事や、悩む時間があって当然です。その中で、「未来に備える」「不安を減らす」という選択肢のひとつが卵子凍結。
今回の研究は、
「若い時に凍結すれば、未来のチャンスが大きく広がる」という心強い後押しになりました。もし「いつか赤ちゃんが欲しいけど、今は難しい…」そんな気持ちがあるならご相談ください。あなたの人生に寄り添う選択肢を、一緒に考えたいと思っています。
📘 出典
Kirshenbaum M, Stern C, Wale P, et al.
Outcomes of oocyte cryopreservation: an analysis based on age and treatment indications.
Human Reproduction. 2025;40(10):1990–1997.