【津高本院】不妊治療のページです
IVFラボの「安全を守る新技術」電子 witnessing システムとは?
体外受精(IVF)を受けるご夫婦にとって大切な「安全を守る仕組み」についてご紹介します。それは 電子 witnessing システム(Electronic Witnessing System: EWS) という新しい技術です。
「witnessing」って何?
IVFラボでは、卵子や精子、胚といった大切なサンプルを正しく扱うために、ダブルチェック(witnessing) が行われます。従来は、培養士がサンプルを取り扱うたびに、別の培養士が名前やIDを照合して「間違いがないか」確認していました。これが手作業による witnessing です。
しかし、人間が行うチェックには「見落とし」や「思い込み」が入り込む可能性があり、また確認作業に時間がかかるという課題もありました。
電子 witnessing システム(EWS)とは?
EWSは、患者さんごとに割り当てられたバーコードや電子ラベルを使ってサンプルを管理し、スキャナーで確認することで「人の目」だけに頼らずに確実に一致を確認できるシステムです。
- サンプル取り扱い時に自動で確認
- 手作業よりも短時間で安全性を確保
- チェック内容がすべて記録され、後から振り返り可能
まるで「第三の見守り役」がラボにいるような安心感をもたらします。
研究で分かったメリット
最新の研究では、EWSの導入により以下のような効果が確認されました:
- 時間短縮:手作業に比べて1回あたり平均約1分以上の時間を節約。
- エラー防止:9,762回のスキャンで20件の「ヒヤリ」が発見され、重大なミスを防止。
- 安心感の向上:培養士の約80%が「ラベルミスや取り違えリスクが減った」と回答。
- 効率性の改善:中断や二度手間が減り、業務がスムーズに進行。
つまり、患者さんにとっては「大切な卵子や胚がより安全に管理される」ことを意味します。
患者さんへのメッセージ
体外受精は高度で繊細な医療です。その裏側では、ラボのスタッフが「いかに安全に、確実に」皆さんの大切なサンプルを扱うかに全力を注いでいます。
EWSのような新しい仕組みは、その努力をさらにサポートするものであり、結果的に治療の安心感と信頼性を高める大きな一歩になります。
≪出典≫
- Holmes R, AthaydeWirka K, Catherino AB, Hayward B, Swain JE. Comparison of electronic versus manual witnessing of procedures within the in vitro fertilization laboratory: impact on timing and efficiency. Fertil Steril Rep. 2021;2(2):181–8. doi:10.1016/j.xfre.2021.04.006