【津高本院】不妊治療のページです
自然に寄り添う?ホルモンを使う?〜凍結胚移植に向けた子宮の準備方法〜
妊活を進めていく中で、多くのカップルが経験するのが**凍結胚移植(Frozen Embryo Transfer:FET)**です。
このとき大切になるのが、子宮内膜をどのように準備するかという点です。実は「自然に任せる方法(自然周期)」と「ホルモンで整える方法(ホルモン補充周期)」の2つの道があります。
🌱 自然周期(NC-FET)
女性自身の排卵に合わせて子宮内膜を整える方法です。
- メリット:体に近い自然な流れで、合併症のリスクが低め
- デメリット:排卵のタイミングを正確に把握する必要があり、通院回数が多くなることも
💊 ホルモン補充周期(AC-FET)
ホルモン剤を使って人工的に子宮内膜を整える方法です。
- メリット:日程調整がしやすく、医療チームにとっても計画が立てやすい
- デメリット:自然周期に比べて妊娠高血圧症候群(特に子癇前症)などのリスクがやや高いと報告されています
📊 どちらが良いの?
大規模な研究では、妊娠率・出産率自体には大きな差はないことが分かっています。
一方で、妊娠中の合併症リスクに関しては「自然周期のほうが母体にやさしいかもしれない」とする報告が増えてきています。
ただし、すべての方が自然周期を選べるわけではありません。例えば、排卵が不安定な方や閉経後の方は、ホルモン補充周期が必要になります。つまり、「誰にでも同じ答え」というより、一人ひとりの体質や状況に合わせた選択が大切なのです。
💡 大事なことは「自分に合った方法を選ぶ」こと
「どっちが正しい」というよりも、
- 妊娠中の合併症リスク
- ご自身の排卵状態
- 通院のしやすさ
- 年齢や既往歴
などを総合的に考え、主治医と一緒に最適な方法を決めることが大切です。
🌸 メッセージ
赤ちゃんを迎えるための準備は、まるでお家をきれいに整えるようなもの。方法はいろいろありますが、大切なのは「あなたと赤ちゃんにとって居心地のいい環境」を作ることです。医療チームと一緒に、安心できる道を選んでいきましょう。
≪出典≫
- Polyzos NP. Endometrial preparation protocols for frozen embryo transfer: risk assessment and individualized management. Human Reproduction. 2025;00(00):1–9. doi:10.1093/humrep/deaf149