【津高本院】不妊治療のページです
希望は世界共通――ARTで広がる“命をつなぐ”医療の力
🌍世界の“体外受精(ART)”はいま
ICMART(国際生殖補助医療監視委員会)は、世界中の体外受精(ART)データを収集・解析し、「世界でどれくらいのカップルが治療を受け、どのような結果が出ているのか」を定期的に報告しています。
今回の報告(2019年データ)では、世界77カ国から400万件を超えるARTサイクルが登録されました。
🌸約95万人の赤ちゃんがARTを通じて誕生しています。
これは、世界の出生のうち**約2〜5%**を占める数値です。
つまり、世界の赤ちゃん20人に1人は体外受精で生まれているということになります。
👶治療の成功率は上がっている
妊娠・出産の成功率は、年齢によって大きく異なります。
ICMARTのデータでは下記がと報告されています。
年齢層 出生率(1回あたり)
・35歳未満 約30%
・35〜39歳 約20%
・40歳以上 約10%
しかし、過去10年で成功率は着実に上昇しています。とくに
- 胚盤胞培養
- 凍結胚移植(FET)
- 単一胚移植(SET)
の普及により、安全かつ効果的な治療が可能になっています。
多胎妊娠(双子以上)の割合も減少し、母体・児ともに安全性が高まっています。
🌏国ごとの特徴も
ICMARTの報告では、地域による違いも明らかになりました。
- ヨーロッパ:保険制度や国の補助が充実しており、治療件数が多い
- アジア(日本・韓国など):治療年齢が高めで、凍結胚移植の割合が非常に高い
- アメリカ:最先端技術が多く導入されており、遺伝子検査(PGT-A)も一般的
日本も国際的に見ても高い安全性と凍結技術のレベルを持ち、
世界の生殖医療をリードする存在です。
💬このデータが意味すること
ICMARTの報告は、単なる統計ではなく、「より良い医療を世界で共有するための道しるべ」です。報告書では、次のようなメッセージが込められています。
🩷 “ARTは特別な医療ではなく、世界中で一般的な選択肢になりつつある”
そして、今後の課題として下記がが挙げられています。
- 治療費格差の是正
- 国際的なデータ管理の標準化
- 安全性と倫理の確保
🌈まとめ
このレポートが教えてくれるのは、**「体外受精は世界の医療の中で、確かな希望のかたちになっている」**ということ。
命をつなぐ医療は、国や文化を越えて、人々の未来を支えています。体外受精は、もう特別な治療ではありません。それは、**“次の命を迎えるための一つの選択肢”**なのです。
📚出典
Adamson GD, de Mouzon J, Chambers GM, et al.
International Committee for Monitoring Assisted Reproductive Technologies (ICMART) World Report: Assisted Reproductive Technology, 2019.
Fertil Steril. 2025;124(8):981–999.
