【津高本院】不妊治療のページです
内膜が薄いと言われたあなたへ:最新研究から見えた希望
「内膜の厚さって妊娠にどれくらい関係ありますか?」「内膜が薄いと言われました…着床できますか?」というご相談はとても多いものです。
今回は、3万件以上の胚移植データを解析した最新の大規模研究を、できるだけわかりやすくご紹介します。必要以上に不安にならず、「知ることで安心できる内容」をまとめています。
🌼 研究でわかった “内膜の厚さと妊娠率” の関係
この研究では、すべて “染色体正常(euploid)” の胚を移植したケースのみを分析しており、「胚の質」という大きな要素をそろえた上で “内膜の厚さ” が妊娠に影響するのかが調べられています。
✔ 7mm未満では妊娠率がやや下がる傾向
- プログラム周期(ホルモン補充周期)
- ある程度人為的に排卵のタイミングを合わせる
modified natural 周期(mNC)では 7mm を下回るあたりから妊娠率がゆるやかに低下していました。
✔ 一方で、自然周期では “明確な影響なし”
自然周期(NC)では、内膜の厚さと妊娠率に明確な関連が見られませんでした。
自然周期はホルモンも自然に近い環境で、内膜の厚さ以外の “受け入れる力” が保たれている可能性があります。
✔ 内膜が5mm未満でも出産しているケースが存在
ページ5の図(Conditional density plots)にもある通り、米国・スペイン・UAEすべての地域で、内膜5mm以下でも出産している例が報告されています。つまり──「薄い=絶対ムリ」では決してありません。
🌿 どうしてクリニックによって “内膜の厚さ” の扱いが違う?
論文によると、各国のクリニックの “考え方” も異なります。
🇺🇸 アメリカ
- 内膜7mm以上を目指して治療を調整する傾向が強い
- そのため薄い内膜のケースが少ない
🇪🇸 スペイン
- アメリカほどではないが、ある程度の厚さを重視
🇦🇪 UAE
- 内膜が薄くても移植に進むケースが多く
- 自然周期のデータが豊富
- 内膜厚と妊娠率の関連が“ほぼなし”
つまり、「薄いと妊娠率が下がる」というより、その背景には “どんな患者さんが薄くなってしまったのか” “どんな周期で移植したのか” が関わっている可能性が示されています。
🌺 内膜が薄めでも、希望がもてるポイント
🌟 内膜の厚さだけで妊娠は決まらない
AUC(予測性能の指標)でみても、内膜の厚さは妊娠を予測する強い指標ではない
という結果でした。
🌟 自然周期では薄くても問題ないケースが多数
自然なホルモン環境が、内膜の “質” を保つのに影響している可能性があります。
🌟 内膜改善の方法は多様
- 血流改善
- 栄養
- 生活習慣
- 周期の工夫
実際、治療の工夫で厚さが改善する方も多いです。
✏出典
Genovese, Haley, et al. “Does Endometrial Thickness Impact Live Birth Rate Following a Frozen Embryo Transfer: Outcomes of 30,676 Euploid Single Embryo Transfers.” Human Reproduction, vol. 40, no. 10, 2025, pp. 1919–1927.