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子宮内膜症の痛みは人それぞれ。でも、それには理由があるかもしれません
🌷はじめに
「生理痛がつらい」「排便のときに痛い」「性交時に痛みがある」――。これらの症状は、**子宮内膜症(endometriosis)**のサインかもしれません。
でも、「痛みが強い=重症」ではないという話を聞いたことはありませんか?実際、手術で内膜症が見つかった人の中には、症状が軽い人も多いのです。
今回ご紹介する研究では、**自覚症状(痛みなど)と実際の病変の広がり(#ENZIAN分類)**の関係を分析。「痛み」と「病変の深さ」は、どの程度リンクしているのかを調べました。

🔬研究の概要
イギリス・ヨーロッパの複数施設で、手術で子宮内膜症が診断された女性2,742人を対象にした大規模研究です。参加者は手術前に、次のような症状を自己申告しました:
- 月経痛(生理痛)
- 性交痛
- 排便痛・排尿痛
- 慢性的な下腹部痛
手術では、#ENZIAN分類という国際的な基準で病変の位置と深さを評価しました。
📊結果:痛みの“種類”によって関連が異なる
研究チームは興味深い結果を報告しています。
- 月経痛や慢性骨盤痛は、深い骨盤内病変(DE:deep endometriosis)とある程度関連あり。
- 排便痛は、腸やダグラス窩(子宮の後ろ側)に病変があるケースで強く関連。
- 一方で、性交痛や排尿痛は、病変の深さとはあまり関係しなかった。
つまり――「どこが痛むか」によって、内膜症がどの部位にあるかの“ヒント”になるかもしれない、でも「どれくらい痛いか」で重症度を判断することは難しい、ということです。
💡ここがポイント
この研究は、「痛み」と「病変の見た目」は必ずしも一致しないことを示しました。その理由は、痛みの感じ方が人によって違うためです。
痛みは、病変だけでなく、
- 神経の敏感さ
- 炎症による影響
- これまでの手術歴やホルモン環境
など、複数の要因が関わっています。
つまり、「見た目よりも痛みが強い」ことも、「広がっていても痛みが軽い」こともあるのです。
🧩 妊活への影響
子宮内膜症は、卵管の癒着や卵巣機能への影響を通して、妊娠しにくさにつながることがあります。ただし、症状が軽くても進行していることがあるため、「痛みが強くないから大丈夫」と自己判断しないことが大切です。
定期的な婦人科受診と、必要に応じた画像検査(超音波・MRIなど)が早期発見の鍵になります。
🌈 まとめ
今回の研究が教えてくれるのは、「痛みの強さ=病気の重さ」ではないということ。
あなたの感じる痛みは、ちゃんと意味があります。それを医師に丁寧に伝えることで、より正確な診断と適切な治療につながります。
子宮内膜症は、“見えない痛み”を理解する医療が進化している病気です。焦らず、体の声を信じて、一歩ずつ向き合っていきましょう。
📚 出典
Buggio L, Becker CM, Tomassetti C, et al.
Evaluation of the association between self-reported pre-operative symptoms with surgically diagnosed endometriosis using the #ENZIAN classification in a multi-centre cohort.
Fertil Steril. 2025;124(6):845–856.