【津高本院】不妊治療のページです
「モザイク胚ってなに?誤解されやすい最新研究からの学び」
👶妊娠を希望するカップルにとって、体外受精(IVF)で得られる胚が「正常」か「異常」かは大きな関心ごとです。最近では**着床前遺伝学的検査(PGT-A)**という技術で、胚の染色体の数の異常(異数性:アニュプロイディ)を調べることが一般的になっています。
ところが――📊
最新研究によると、この検査で「モザイク胚(正常細胞と異常細胞が混ざった胚)」と報告されたものの中には、実際には卵子形成の段階(減数分裂)で起きた異常を持つ胚が約3分の1含まれていることが分かりました
🌱「減数分裂の異常」と「モザイク」の違い
- 減数分裂(卵子や精子ができる過程)での異常 → 胚のすべての細胞に影響し、妊娠の可能性は大きく低下します。
- 受精後の分裂での異常(モザイク) → 胚の一部の細胞にだけ異常があり、正常な部分が残ることも。健康な赤ちゃんに育つ可能性があります。
つまり、同じ「モザイク」という結果でも、臨床的な意味は大きく異なるのです。
🔍 なぜ誤分類が起こるの?
現在多くの検査は、コピー数(染色体がどれくらいあるかの割合)を数値で判定しています。
しかし、この方法だけでは「減数分裂の異常」と「モザイク」を完全に区別できません。結果として、本来は妊娠に結びつきにくい胚が「移植候補」とされるリスクや、逆に健康な可能性のある胚が除外されるリスクがあるのです
💡これからの展望
- SNP解析やカリオマッピングといった追加の遺伝子解析を組み合わせることで、誤分類を減らせることが示されています。
- 将来的には、より正確に「本当に妊娠の可能性がある胚」を見極めることが可能になると期待されます。
🤗 挙児希望カップルへのメッセージ
検査の精度は年々向上していますが、まだ「完璧」ではありません。
大切なのは、**「検査結果だけで全てを判断せず、臨床経験豊富な医師と十分に相談すること」**です。
希望を持ちつつ、最新の知見をうまく活用していきましょう✨。
📚 出典
- Popa T, Davis C, Xanthopoulou L, et al. Current quantitative methodologies for preimplantation genetic testing frequently misclassify meiotic aneuploidies as mosaic. Fertil Steril. 2025;124(2):307–318. doi:10.1016/j.fertnstert.2025.02.018