【津高本院】不妊治療のページです
がんと妊活、どちらもあきらめない! 〜“温存”という新しい希望〜
🌱がん治療と“未来の家族”のこと
がん治療の進歩により、若い世代でも「治るがん」が増えています。しかし一方で、抗がん剤や放射線治療によって卵巣や精巣の機能が低下し、不妊になる可能性があることも知られています。
近年では、「治療後も将来、子どもを持てるように準備しておく」ための選択肢――
それが妊よう性温存(fertility preservation)です。
💬どんな人が対象なの?
がんの種類や治療内容にかかわらず、すべての患者さんが対象になり得ます。
米国臨床腫瘍学会(ASCO)は、「がんと診断されたすべての人に妊よう性について説明すること」を推奨しています
治療が始まる前に相談することが理想ですが、
治療後でも卵巣・精巣の状態を確認して、将来に備えることも可能です。
🧊主な妊よう性温存の方法
👩女性の場合
- 卵子凍結・受精卵(胚)凍結
→ 採卵まで約2週間。がん治療前に行うのが理想。 - 卵巣組織凍結
→ 小児や、時間のない場合にも可能。手術で卵巣の一部を保存します。 - GnRHアゴニスト投与
→ 抗がん剤治療中に卵巣を“眠らせる”ことで、ダメージを減らす方法。
👨男性の場合
- 精子凍結
→ 採取して凍結保存。将来、顕微授精などに使用できます。 - 精巣組織凍結
→ 思春期前の男の子など、まだ精子を作っていない場合の方法。
⏰いつ相談すればいい?
できるだけ治療を始める前に。
卵子・精子の採取には10〜14日ほどかかるため、がん治療チームと生殖医療チームが早めに連携することが大切です。もし治療を優先する必要がある場合でも、卵巣組織の凍結など短期間でできる方法もあります。
💸費用とサポート
妊よう性温存は命に関わる治療ではないため、保険が効かない場合が多く、費用(数十万円)が負担になることもあります。
しかし、患者支援団体による助成金や補助制度が広がりつつあります。また、医療者側の理解不足や、紹介の遅れも課題として指摘されています。
「知っていれば選べた」という後悔を減らすために、
医療機関側の情報提供とチーム医療が重要なのです。
🌸まとめ
がん治療は「命を救う医療」。
妊よう性温存は「未来を守る医療」。
どちらも、あなたの人生の大切な一部です。
少しの準備と相談が、将来の大きな安心につながります。
がんの治療中でも、「いつか子どもを抱きたい」という想いを、あきらめないでください。
📚出典
Kalluru S, Vu M, Brady PC. Fertility preservation for cancer: referral guidelines, treatment options, and specific considerations.
Fertil Steril. 2025;124(4):585–592.