【津高本院】不妊治療のページです
クロミフェンからレトロゾールへ ― 妊活治療の新しいスタンダード?
排卵障害に対して長年使われてきたお薬に「クロミフェン(Clomiphene Citrate)」があります。でも近年、「レトロゾール(Letrozole)」という薬がより有効だと注目され、妊活の現場でも広がってきています。
💊 レトロゾールとは?
- もともとは乳がん治療薬として開発された薬。
- 卵巣からのエストロゲン分泌を抑え、脳に「まだエストロゲンが足りない」と錯覚させることで排卵を促す仕組みです。
- クロミフェンと似た作用を持ちますが、副作用が少なく、排卵・妊娠率が高いとされています。
🧪 研究からわかっていること
- 2005年に「レトロゾールで奇形が増えるかも」という報告があり、当初は不安が広がりました。
→ しかし、その研究は「若い自然妊娠の女性」と「年齢の高い不妊治療中の女性」を比べていたため、不公平な比較だったのです。 - その後の大規模研究では、催奇形性のリスクは増えないことが確認されました
- 2018年の国際ガイドラインでも、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の排卵誘発薬として第一選択はレトロゾールと推奨されています。
📈 それでも広がりが遅い理由
- 医師によっては「昔からクロミフェンを使ってきたから」という慣習で、いまもクロミフェンを選ぶことがあります。
- 実際、ある大学病院の調査では、2007年から2021年の間にレトロゾールの使用は0%から80%に増えたものの、いまだクロミフェンを使い続けるケースも残っていました
- 新しいものが「正しい」とわかっていても、実際に現場に浸透するには時間がかかるのです。
🌱 カップルへのメッセージ
- レトロゾールは今やPCOSに対する第一選択薬。
- クロミフェンと比べて副作用が少なく、妊娠につながりやすいと考えられています。
- 妊活の治療法を選ぶときは、「従来のやり方」だけでなく、最新のエビデンスに基づいた選択肢を主治医と相談してみましょう💑。
📚出典
- Parry JP. Letrozole and the innovation adoption curve. Fertil Steril. 2025;124(2):252–253. doi:10.1016/j.fertnstert.2025.05.175