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排卵周期とホルモン補充周期、どちらが良い?最新研究でわかる“正しい選び方”

排卵周期とホルモン補充周期、どちらが良い?最新研究でわかる“正しい選び方”

2025/12/25#研究論文ご紹介

「凍結胚移植(FET)」は、いまや妊娠を目指す多くのカップルが経験する治療になりました。ただ、その際に必ず出てくるのが──

自然周期(排卵周期)で移植したほうがよい?
人工周期(ホルモン補充周期)で移植したほうがよい?

という疑問です。最新レビュー論文で、「どのFET方法が本当に安全で、どんな人にどの方法が向いているのか」をまとめた研究報告です。

🌼 1. 凍結胚移植の準備方法は3つあります

論文の 図1(p.3) には、代表的な準備法がわかりやすく示されています。

① 自然周期(NC)

排卵を自然に待って、体が作るホルモンで内膜を整える方法。

② 変法自然周期(mNC)

排卵のタイミングだけhCG注射で調整する自然に近い方法。

③ ホルモン補充周期(AC)

エストロゲンとプロゲステロンを外から補い、排卵を抑える方法。
スケジュール管理がしやすく、世界の多くのクリニックで採用されています。

🌿 2. 妊娠率は「どれを選んでもほぼ同じ」

最も大規模なランダム化比較試験(約1200名)では、下記の結果で妊娠率はほぼ同じ という結果でした。

つまり──“人工周期にすると妊娠率が下がる” という心配は不要 です。

という妊娠率はほぼ同じ という結果でした。つまり──“人工周期にすると妊娠率が下がる” という心配は不要 です。

🌺 3. ただし「妊娠中の合併症」は少し違う可能性があります

ここ数年、多くの研究で注目されているのが、人工周期で“黄体(corpus luteum)が存在しない”ことによる影響 です。

🩺 黄体が作るホルモンや物質は、妊娠初期の血管の柔らかさや胎盤形成に関わる

論文では、黄体が作る「リラキシン」や「プロレニン」などの作用が紹介されています。

🩺 観察研究では、人工周期は以下のリスクがやや高い

(複数のシステマティックレビューによる)

ただし、ここで大切なのは──増えるといっても「絶対的なリスクは小さい」 という点です。論文によると

❝人工周期が原因でpreeclampsiaが起きる割合は3%ほど❞
❝自然周期に切り替えても、1000人中4〜22例が減る程度❞

つまりリスクは確かにあるが「過度に怖がる必要はない」 ということです。

🌈 4. では、どの方法が良いの?

論文の結論はとてもバランスの良いものです。

✔ 「全員が自然周期にすべき」というわけではない(p.6)

こうした方には、人工周期が最適。

✔ 自然周期のほうが望ましいケースもある

✔ 一番大事なのは「その人のリスクを個別に評価すること」

つまり──“どちらが正しい”のではなく、“あなたに合った方法を選ぶことが大切”
というメッセージです。

🌼 5. 患者さんへのまとめ

治療方法の最適解は、患者さんの背景と価値観によって変わるため、主治医と相談しながら進めるのが安心です。

出典

Polyzos, Nikolaos P. “Endometrial Preparation Protocols for Frozen Embryo Transfer: Risk Assessment and Individualized Management.” Human Reproduction, vol. 40, no. 10, 2025, pp. 1815–1823.

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