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新鮮胚移植か、凍結してからの移植か

2026/09/25#研究論文ご紹介

9000件超のデータからみえてきた

「胚の数と質」による違い



採卵した後、その周期にすぐ移植する(新鮮胚移植)か、または、一旦すべて凍結してから移植する(凍結胚移植)か?

これまでは「卵巣がよく反応した人は凍結の方が良い」とされてきましたが、今回、その考え方に一石を投じるデータが報告されました。


❓ どんな研究なの?

イギリスの1つの施設で行われた9900件超の採卵周期を対象に、新鮮胚移植と凍結胚移植の出産率を、背景をそろえたうえで比較しました。

❓ これまでの考え方は?

これまでは、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高い方や卵巣がよく反応した方は凍結胚移植の方が成績が良いとされ、逆に卵巣の反応が乏しい方は新鮮胚移植の方が良いとされてきました。

❓ 今回の結果は違ったの?

卵巣の反応が乏しい方では、新鮮胚移植と凍結胚移植の出産率に明確な差はみられませんでした(26% vs 27%)。

さらに、得られた胚の数が少ない方では、胚の質をそろえて比較すると、凍結胚移植の方が出産率が高いという結果でした(38% vs 29%)。

❓ では何が結果を左右していたの?

年齢そのものよりも、「得られた胚の数」と「胚の質」が重要な要素であることが示されました。

質の良い胚が少ない方には、凍結して子宮内膜の状態を整えてから移植する方法が向いているのかもしれません。

❓ この結果はすぐに治療方針を変えるべきもの?

研究チームも、「補正後は統計的な有意差を失った項目もある」と慎重に述べています。今回はあくまで1つの施設のデータであり、今後さらなる検証が必要とされています。

🌈 まとめ

📋 院長からのコメント

新鮮胚移植か凍結胚移植かは、これまで主に卵巣の反応で判断されることが多かったのですが、この研究は「胚そのものの数と質」にも目を向ける必要があることを教えてくれます。

とても興味深いデータですが、まだ1施設での後ろ向き研究であり、これだけで方針を大きく変えるべきものではありません。今後の追加研究の結果を見ながら、日々の診療に活かしていきたいと思います。

📚 出典

Garratt J, Macklon N, Ellis PJ, Goswami M, Kovats T, Al-Hashimi B, Shah T, Linara-Demakakou E, Ahuja KK. Time to reconsider who the freeze-all approach benefits: a matched cohort analysis of over 9000 embryo transfers. Reproductive BioMedicine Online. 2026;53(3):105742.

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