【津高本院】不妊治療のページです
採卵前の「最後の一手」!!!排卵トリガー注射、どれ選ぶ?
採卵前に打つ「トリガー注射」とても重要です
体外受精(IVF)では、採卵の約34〜36時間前に
卵子を最終成熟させる注射を行います。
これを「排卵トリガー」と呼びます。
この一回の注射が、
- きちんと成熟した卵子が取れるか
- 空胞(卵子が入っていない)にならないか
を大きく左右します。
排卵トリガーには3つの方法があります
現在、主に使われているのは次の3種類です。
① hCGトリガー(従来法)
- 最も長く使われてきた方法
- 卵子成熟を安定して誘導
- 黄体期も自然に支えられる
👉 標準的で信頼性が高い方法です。
② デュアルトリガー(GnRHアゴニスト+hCGを同時)
- GnRHアゴニスト+少量hCGを同時に投与
- 卵子成熟率の改善が期待される
特に、
- 採卵数は多いのに
- 未成熟卵(MⅠ卵)が多い
といったケースで選択されることがあります。
③ ダブルトリガー(GnRHアゴニスト+hCGを時間差で)
- 40時間前にGnRHアゴニスト
- 34時間前にhCGと、時間差で2回注射する方法です。
これは、
- 空胞が多かった
- 卵胞数の割に採卵数が少なかった
といった、最終成熟に問題があった方に用いられます。
最新研究が示した「大切なポイント」
2025年に発表された解析では、**予測される正常反応者(いわゆる反応の良い患者さん)**において、
👉 妊娠率は、hCGトリガーとGnRHアゴニスト/デュアル/ダブルで差がない
ことが示されました。つまり、
- 「新しい方法=必ず妊娠率が高い」
ではありません。
では、なぜ使い分けるの?
ポイントはここです👇
- hCGトリガー
→ 標準的、ほとんどの方に適応 - デュアルトリガー
→ 卵子の成熟率を上げたいとき - ダブルトリガー
→ 過去に下記経験がある場合
・空胞が多かった
・卵子がうまく取れなかった
👉 患者さんの「これまでの反応」によって選ぶ
というのが、現在の正しい考え方です。
「私にはどれがいいの?」と感じたら
トリガー法は、
- 年齢
- AMH
- これまでの採卵結果
を総合して決めます。
「なぜ今回はこの注射なのか」
を知ることは、治療への不安を減らします。
遠慮せず、
「今回のトリガーはどういう理由ですか?」
と聞いてみてください。
まとめ
- 排卵トリガーは採卵成功の要
- 妊娠率は必ずしも新しい方法が有利ではない
- 大切なのはあなたの卵巣反応に合った選択
治療は、一人ひとり違っていいのです。
≪出典≫
Orvieto, Raoul.“Triggering Oocyte Maturation in In Vitro Fertilization Treatment: Human Chorionic Gonadotropin, Dual, or Double Trigger?” Fertility and Sterility, vol. 124, no. 5, 2025, pp. 1134–1135.