【津高本院】不妊治療のページです
「カオス胚」ってなに? ― 最新研究から見えた可能性
体外受精で育った受精卵の中には、染色体の数に大きな異常があるものがあり、それを**「カオス胚」と呼びます。
「カオス=混乱」という名前から、「もう使えない胚」と思われがちですが、実は最新の研究では希望の光もある**ことがわかってきました。
🔎 カオス胚とは?
- 着床前遺伝学的検査(PGT-A)で、6つ以上の染色体に異常があると判定された胚を指します。
- 従来は「妊娠の可能性はほとんどない」とされ、移植対象にならないことが多かったのです
🧪 研究でわかったこと
- 93個のカオス胚を再検査したところ…
- 一部の「モザイク型カオス胚」では、54%が正常胚(euploid)と再判定されました。
- しかし「完全なカオス胚」や「混合型カオス胚」は正常に戻ることはありませんでした。
- さらに、世界では実際にカオス胚から生まれた健康な赤ちゃんの報告も出ています
⚖️ どう考えればいいの?
- PGT-Aはあくまで「スクリーン検査」であり、必ずしも100%正確ではないことを理解しておくことが大切です。
- 「もうチャンスがない」と思っていた胚でも、再検査やカウンセリングを経て移植が検討できるケースがあります。
- 一方で、データがまだ限られているため、妊娠や赤ちゃんの健康に関する長期的な情報は不十分です。
🌱 ご夫婦に伝えたいこと
- カオス胚と判定されても、必ずしも望みがゼロではないということを知ってください。
- 選択肢を広げるために、再検査や遺伝カウンセリングを検討しても良いかもしれません。
- 大切なのは、医師と一緒にリスクと可能性を正しく理解し、納得できる治療の選択をすることです💑。
📚出典
- Zolton JR. Clarifying chaotic embryos: emerging evidence. Fertil Steril. 2025;124(2):248–249. doi:10.1016/j.fertnstert.2025.05.162