【津高本院】不妊治療のページです
不育症検査で細菌が見つかったら、本当に治療が必要?
流産を繰り返してしまう「不育症」。
原因が分からないことも多く、「何か治療できる原因が見つかれば…」と思う方も少なくありません。
近年、子宮頸管から採取した検体で「マイコプラズマ」や「ウレアプラズマ」という細菌が見つかった場合、不育症との関連が注目されています。
一部の研究では、これらの細菌を持つ方に抗菌薬(ドキシサイクリン)を使用したところ、その後の生児獲得率(赤ちゃんを抱く率)が高くなったという報告もありました。しかし、今回紹介する論文は、この結果を慎重に解釈する必要があると指摘しています。
💡ポイントは、
- 子宮頸管で細菌が見つかっても、子宮内に炎症があるとは限らない
- マイコプラズマやウレアプラズマは症状のない健康な女性にも存在することがある
- 「細菌がいること」と「流産の原因であること」は別問題
ということです。
さらに、最近行われた質の高いランダム化比較試験では、慢性子宮内膜炎のある不育症患者さんにドキシサイクリンを投与しても、生児獲得率の改善は認められませんでした。つまり現時点では、
- 子宮頸管で細菌が見つかっただけで抗菌薬を使用する
- 不育症の方全員に細菌検査を行う
ことを支持する十分な根拠はありません。
不育症診療で大切なのは、「検査で陽性だったから治療する」のではなく、その検査や治療に本当に効果があるのかを科学的根拠に基づいて判断することです。
不育症でお悩みの方は、一つひとつの検査結果に振り回されるのではなく、担当医と相談しながら必要な検査・治療を選択していきましょう!
≪出典≫
Etrusco, Andrea, Vittorio Agrifoglio, and Antonio D’Amato. “When Association Looks Like Causation: Should We Really Treat Cervical Positivity in Recurrent Pregnancy Loss?” Fertility and Sterility, vol. 125, no. 5, 2026, pp. 801–802.