【津高本院】不妊治療のページです
子宮頚管無力症 “子宮の縫い糸”という選択肢
「妊娠してもいつも途中で流産してしまう…」
そんなつらい経験の背景に、「子宮頸管無力症」が隠れていることがあります。
子宮頸管無力症とは、赤ちゃんが大きくなる途中で子宮の出口(頸管)が開いてしまい、妊娠中期の流産や早産につながる病気です。
通常は腟から子宮頸管を縫う「頸管縫縮術」が行われますが、過去に治療がうまくいかなかった方や、子宮頸部の手術歴がある方では別の方法が必要になることがあります。
今回紹介された論文では、腹腔鏡下腹式子宮頸管縫縮術(Laparoscopic Abdominal Cerclage)が紹介されています。この方法はお腹から子宮頸部を縫う手術で、
- 出血が少ない
- 術後の痛みが少ない
- 回復が早い
といった腹腔鏡手術の利点があります。特に子宮頸がんの妊孕性温存手術(広汎子宮頸部摘出術)後の女性では、早産リスクが高くなりますが、予防的な縫縮術によって良好な妊娠成績が期待できることも報告されています。
今回の論文が伝えたいことは、
「高度な手術技術」と「産科・婦人科・腫瘍専門医など多職種の連携」があれば、これまで妊娠継続が難しかった方にも新たな希望が生まれるということです。
流産を繰り返した経験がある方は、一人で悩まず専門医へ相談してみてください。適切な診断と治療によって、妊娠を守れる可能性があります。
📚出典(MLA形式)
Carugno, Jose, Nash S. Moawad, and Emad Mikhail. “Operating in Two Worlds: Gynecologic Surgery for the Gravid Uterus.” Fertility and Sterility, vol. 125, no. 5, 2026, pp. 813–814.
