【津高本院】不妊治療のページです
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)って本当に診断されにくい?
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、月経不順や排卵障害、ホルモンのアンバランスによって不妊の原因となることの多い病気です。実は、女性の10〜13%が抱えているといわれており、決して珍しいものではありません。それなのに…なんと約70%の女性は診断されずに過ごしているとも報告されています。
📊 なぜ診断が難しいの?
- 症状が人によって違う
生理不順、ニキビ、多毛、肥満など、出方がバラバラなので「自分がPCOSだ」と気づきにくいのです。 - 診断基準が複数ある
「ロッテルダム基準」「NIH基準」「アンドロゲン過剰学会基準」などがあり、どれを使うかで「PCOSと診断されるかどうか」が変わってしまうことがあります。 - 医療データの限界
研究では、PCOSの診断を「診療データベース(ICDコード)」から拾おうとすると、正しく診断できる割合(陽性的中率)は30〜96%とバラバラでした。つまり「間違って診断されない人」もいれば「本当はPCOSなのに見逃される人」もいるのです。
💡 妊活にどう影響するの?
PCOSは排卵障害による不妊の大きな原因です。けれど、診断がつかないと治療につながらず、時間だけが過ぎてしまうことがあります。一方で、正しく診断されれば、排卵誘発剤や生活習慣の改善、場合によっては体外受精などで妊娠のチャンスを広げることができます。
🌼 妊活カップルへのメッセージ
「なかなか妊娠できない…」と感じたとき、単に「運が悪い」と片付けないでください。もしかするとPCOSなど、体の仕組みが関わっているかもしれません。
早めに婦人科を受診し、自分の状態を知ることが第一歩です。診断がつけば、治療の選択肢はたくさんあります。
「診断されること」は怖いことではなく、むしろ「赤ちゃんを迎える準備のスタートライン」だと考えてくださいね。
📖 出典
- Hu S, Lalonde-Bester S, Salem J, et al. Validity of administrative health data case definitions for identifying polycystic ovary syndrome: a systematic review and meta-analysis. Human Reproduction. 2025;40(8):1579–1586.https://doi.org/10.1093/humrep/deaf094