【津高本院】不妊治療のページです
「インスリン抵抗性ってなに?妊娠にどう関わるの?」
妊活をしていると「卵子の質」や「子宮内膜の状態」が大切だと耳にすると思います。実は、その背景にある“代謝のカギ”の一つが インスリン抵抗性(IR) です。
インスリンは血糖を下げるホルモンですが、体がそれに反応しにくくなる状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。糖尿病や肥満と関わりが深いのは有名ですが、実は妊娠のしやすさにも直結するのです。
🥚 インスリン抵抗性と卵子・胚の質
研究によると、インスリン抵抗性があると卵胞内の環境が乱れ、卵子の成熟や発育がスムーズにいかなくなります。その結果――
- 胚盤胞まで育つ割合が下がる
- 胚の見た目のスコアが低下する
などが起きることが報告されています。
一方で、インスリン抵抗性を改善するお薬(メトホルミンなど)を使うと、良好胚の割合が増える可能性も示されています。
🛏️ インスリン抵抗性と子宮内膜・着床
赤ちゃんを迎える「ベッド」である子宮内膜も、インスリンの影響を受けます。インスリン抵抗性が強いと、
- 子宮内膜の血流や細胞の働きが悪くなる
- 着床に必要な分子サインが減る
といった変化が起き、結果として着床率や妊娠率が低下することがわかっています。
特に、肥満や高インスリン血症を伴う方ではこの影響が顕著です。
🌱 妊活カップルへのメッセージ
「私は糖尿病じゃないから大丈夫」と思う方でも、隠れたインスリン抵抗性が妊娠に影響していることがあります。
大切なのは――
- バランスの良い食事
- 定期的な運動
- 必要に応じた薬のサポート
これらで代謝を整えることが、卵子の質や子宮内膜の受け入れ力を高める一歩になります。
📖 出典
- Teede HJ, Tay CT, Laven JJE, et al. International evidence-based guideline for the assessment and management of polycystic ovary syndrome 2023. Hum Reprod. 2023;38(9):1655–1679
- Liang H, Li N, Li R. Preovulation body mass index and pregnancy after first frozen embryo transfer in patients with polycystic ovary syndrome and insulin resistance. Fertil Steril. 2025;123(1):105–114.