【津高本院】不妊治療のページです
子宮内膜症と免疫疾患の意外なつながり
「子宮内膜症と免疫の病気、実はつながっている?」
子宮内膜症は、不妊症や月経困難症の原因としてよく知られています。
最近の国際研究で、この子宮内膜症と、膠原病や関節リウマチなどの免疫系の病気との間に、深い関係があることが分かってきました【Holdsworth-Carson SJ et al., 2025】。
研究の概要
オーストラリアと国際共同チームは、数十万人規模の医療データと遺伝情報を解析。
結果として、以下の2つのレベルで関連が見られました。
- 臨床的な関連(表現型)
子宮内膜症の女性は、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、炎症性腸疾患など、免疫に関わる病気を併発する率が高い。 - 遺伝的な関連
子宮内膜症とこれらの免疫疾患には、一部共通する遺伝子領域が存在。
特に免疫応答や炎症制御に関わる遺伝子が重なっていました。
この発見の意味
- 予防・早期発見の可能性
子宮内膜症の方は、免疫疾患の症状(関節痛、発疹、腸の不調など)に早く気づきやすくなる。 - 治療法のヒント
免疫の過剰反応を抑える薬が、子宮内膜症治療にも役立つ可能性。 - 妊活への影響
免疫異常が着床や妊娠維持に影響する可能性があるため、治療計画に免疫の視点を加えることが重要。
医師からのメッセージ
子宮内膜症は「骨盤だけの病気」ではなく、全身の免疫バランスにも関係している可能性があります。
妊活中の方は、月経や排卵だけでなく、体全体の症状や既往歴を医師に伝えることが、より安全で効果的な治療につながります。
≪出典≫
- Holdsworth-Carson SJ, et al. The phenotypic and genetic association between endometriosis and immunological diseases. Hum Reprod. 2025;40(4):770–782. doi:10.1093/humrep/deae298