【津高本院】不妊治療のページです
体外受精に進むとき、男性の検査は「済ませた」と言えますか?
専門家が訴える、生殖泌尿器科を受診する意義
「体外受精をするつもりだから、夫の検査は
精液検査だけしておけば良いですね?」
このように考える方は
少なくありません。
でも専門家は、
まさにその逆だと
指摘しています。
❓ 男性不妊はどれくらい多いの?
世界保健機関(WHO)の推計では、
不妊の原因の📊 45%
に男性側の要因が
関わっているとされています。
決して「おまけ」の問題ではありません。
❓ 体外受精をすれば解決するのでは?
残念ながら、
体外受精は万能ではありません。
精子の状態が悪いと、
🚫 受精がまったく起こらない
🧬 DNAの損傷で胚の発育が止まる
💧 流産が増える
といったことが起こりえます。
顕微授精(ICSI)をしても、
精子そのものの質の問題を
すべて乗り越えられるわけではありません。
❓ 専門外来を受診すると何が変わるの?
「原因を見つけて治療できる」
ことが最大のメリットです。
たとえば精索静脈瘤の手術では、
体外受精を受けるカップルで
📈 妊娠率 1.76倍
📈 出産率 1.76倍
という報告があります。
❓ ほかにも改善できることはある?
あります。
🧬 精子のDNA損傷が多い方では、
精巣内精子採取により
妊娠率・出産率が上がり、
流産率が下がるという報告も。
また、
💊 一部の内服薬(5α還元酵素阻害薬など)
🏭 職場や生活環境の化学物質
が精子に影響していることもあり、
気づくだけで次の周期の結果が
変わる可能性があります。
❓ 実際にはどれくらい受診されているの?
米国生殖医学会は
「精液検査に異常があれば
生殖泌尿器科を受診すべき」
と推奨していますが、
現実には受診していない方が
多いと指摘されています。
むしろ「どうせ体外受精に進むから」
という理由で、
紹介が省略されがちだというのです。
🌈 まとめ
- 不妊原因の約45%に男性側の要因が関わる
- 体外受精や顕微授精でも、精子の質の問題をすべて乗り越えられるわけではない
- 精索静脈瘤の手術で、体外受精での妊娠率・出産率が約1.76倍という報告
- 内服薬や生活環境の影響に気づくだけで、結果が変わることもある
- 体外受精に進む場合こそ、男性側の精査が重要
📋 院長からのコメント
男性不妊の専門医からの論評で、私も強く同意します。「体外受精をするから男性の検査は不要」というのは、よくある誤解です。
当院でも、精液所見に異常がある場合は泌尿器科との連携を大切にしています。治療できる原因が見つかれば、同じ体外受精でも結果が変わる可能性があるからです。なお、これは専門家の意見論文であり、紹介されている数字は過去の研究に基づくものです。どの検査や治療が必要かは個々の状況で異なりますので、まずは主治医にご相談ください。
📚 出典
Halpern, Joshua A., and Robert E. Brannigan. "Male Factor Evaluation Is Critical for Couples Undergoing Assisted Reproductive Technology." Fertility and Sterility, vol. 126, no. 4, 2026, pp. 648-49.
