【津高本院】不妊治療のページです
卵子は何個あれば妊娠できる? ― 最新研究が示す“ちょうどいい数”
体外受精(IVF)で採卵した数を聞いて、「少なくて不安…」「たくさんあれば安心?」
と感じた方は多いのではないでしょうか?
最新の大規模研究では、採れた卵子の数と1年以内に出産できる確率(累積出生率, CLBR) の関係が詳しく調べられました。
📊 研究の内容と結果
対象:4つの大規模ランダム化比較試験に参加した 1,746人 の女性
方法:卵巣刺激に「フォリトロピン・デルタ」というFSH製剤を使用した場合の、採卵数と1年以内の出産率を解析。
結果のポイントは次の通りです:
- 1〜5個の卵子 → 累積出生率は 30〜40%
- 10〜14個 → 約 50%
- 15〜20個 → 約 60〜70%
- 21〜25個 → 70%前後で頭打ち
- 25個以上 → ほぼ変わらず、むしろわずかに低下する傾向
👉 卵子が 20個前後 採れると出生率は最も高くなりますが、一定数を超えると大きな上乗せ効果はない ことが分かりました。
👩👩👧 年齢による違いも!
さらに年齢ごとに分けると…
- 35歳未満:
卵子が10〜15個あれば十分高い出生率に。20個以上とっても大きな差はなし。 - 35〜37歳:
15〜20個で出生率が最も高く、60〜65%程度。 - 38歳以上:
卵子が多いほどチャンスが増え、20個以上で出生率が大幅に向上。
👉 若い方は「数より質」、高年齢の方は「数が質を補ってくれる」ことが示されています。
💡 妊活カップルに伝えたいこと
- 卵子の数が「少ない=妊娠できない」わけではありません。
- 卵子数が多くても「質」が伴わなければ出産につながらないことも。
- 大切なのは「その人の年齢や体質に合った卵巣刺激法」を選ぶこと。
- 卵子数が少なめの方でも、移植や培養の工夫で十分にチャンスがあります。
🌱 メッセージ
採卵の結果を聞いて、一喜一憂してしまうのは自然なことです。
でも、この研究は「数がすべてではない」ということを教えてくれます。
大切なのは「あなたに合った作戦」で進めること。
私たち医療者は、一つひとつの卵子に可能性を託しながら、赤ちゃんに出会える最善の方法を一緒に考えていきます。
📖 出典
- Lobo R, Santos-Ribeiro S, Falahati A, et al.One-year cumulative live birth rate associated with the number of oocytes in ovarian stimulation with follitropin delta: a pooled analysis of four randomized controlled trials. Human Reproduction. 2025;40(8):1526–1534.doi:10.1093/humrep/deaf111