【津高本院】不妊治療のページです
AIで赤ちゃんに出会える日が早まる?―最新の胚選択技術
体外受精(IVF)に取り組むカップルにとって、「1日でも早く赤ちゃんに出会いたい」という願いは共通です。ところが、胚移植をしてもすぐに妊娠が成立するとは限らず、何度かの移植を経てようやく出産に至るケースもあります。
そこで注目されているのが、AI(人工知能)による胚の選び方です。
🤖 AIがどう役立つの?
これまでは、胚培養士が顕微鏡で胚の形を観察し、成長の具合(ガードナー分類)で「良い胚」を判断してきました。
しかし、AIはタイムラプス映像(胚の発育を一定間隔で撮影した画像)を解析し、どの胚が赤ちゃんにつながりやすいかをスコア化します。これにより、人の目では気づかない細かい発育の特徴も捉えることができるのです。
📊 最新研究の結果は?
スペインの大規模な研究によると、AIでランク付けした胚を選んで移植すると、赤ちゃんに出会えるまでに必要な移植回数(TTLB: Time to Live Birth)が平均で6.1%短縮できることが分かりました。
つまり、「同じ治療回数でも、より早く出産につながる可能性がある」ということです。また、AIによる評価は従来の方法よりも「胚の順番づけ」が正確であり、臨床現場での有用性が示されています。
💡 妊活カップルへのメッセージ
AIが「赤ちゃんを産んでくれる胚」を見つけてくれるわけではありません。妊娠や出産には、子宮の状態、ホルモンのバランス、生活習慣など多くの要素が関わります。
それでも、AIが胚の選択をサポートしてくれることで、「移植の回数を減らせる」「早く赤ちゃんに会えるチャンスが増える」かもしれません。
「未来の医療が今ここにある」――そんな希望を持てる研究成果です。妊活を頑張る皆さんの背中を、そっと押してくれる存在になりそうです。
📖 出典
Bori L, Johansen MN, Berntsen J, Parner ET, Meseguer M.
Predicting time to live birth with deep learning embryo ranking: a novel multiple imputation approach.
Human Reproduction. 2025;40(8):1516–1525.
doi:10.1093/humrep/deaf102