【津高本院】不妊治療のページです
帝王切開後の瘢痕「イスモセル」と最新手術法“Taurus T法”②
帝王切開を経験された方の中には、その後の妊娠や体調に影響する「イスモセル(子宮瘢痕部のくぼみ)」ができることがあります。
🩺 イスモセルってなに?
- 帝王切開の傷あとが子宮の内側でくぼみ状になる状態です。
- 多くは無症状ですが、以下のような症状が出ることがあります:
- 不正出血
- 骨盤痛
- 流産の反復
- 二次的不妊
- 妊娠合併症(子宮破裂や瘢痕妊娠など)
🔎 治療法はいろいろ
- ヒステロスコピー(子宮鏡)手術:小さなくぼみに適応
- 腹腔鏡手術:大きなくぼみや子宮筋層が薄い場合に適応
- 経膣手術:低い位置の瘢痕に適応
- どの方法を選ぶかは「くぼみの大きさ・位置・筋層の厚さ・妊娠希望」などによって決まります。
🎯 新しいアプローチ“Taurus T法”とは?
最新の報告では、腹腔鏡と子宮鏡を組み合わせた新しい方法が紹介されています。
- 子宮鏡で瘢痕の境界を電気メスでマーキング
- 光を透過させて腹腔鏡から同じ部分を確認
- 特殊な針と拡張器で子宮を動かし、瘢痕を「T字型」に切開して取り除く
- 最後に筋層を丁寧に縫い合わせる
この方法により、病変部を正確に特定し、安全かつ確実に修復できる可能性が示されています
🌱 妊娠希望の方へのメッセージ
- イスモセルは「よくあるけれど見逃されがちな問題」です。
- 手術によって症状が改善し、自然妊娠や胚移植の成功率が上がる可能性があります。
- ただし、まだ大規模な研究は不足しており、どの方法が一番良いかはこれからの課題です。
📚出典
- Applebaum J, Fitzgerald AC, Namazi G. Bullseye: precision in laparoscopic isthmocele repair with the “Taurus T method”. Fertil Steril. 2025;124(2):257–258. doi:10.1016/j.fertnstert.2025.05.164