【津高本院】不妊治療のページです
「はしかワクチン」と妊活スケジュール
【ご質問内容】
凍結胚移植予定の者です。麻疹ワクチンを一度接種したのみで感染歴もありません。健康診断の採血(IgG-EIA法)で抗体はあるものの十分な免疫なしとの結果を受けました。ワクチン接種後は一定期間、移植すべきではないとも聞きました。2回目の麻疹ワクチンを接種してから移植に望むべきでしょうか?
【県内の流行状況】
・新型コロナウイルス: 減少傾向。
・インフルエンザ:増加傾向。
・急性呼吸器感染症(ARI)は県全体で899名の報告があります。前週と同程度。
・感染性胃腸炎・A群溶血性連鎖球菌咽頭炎も増加傾向
・国内で麻疹の感染者が増加しています。(前年同時期比4.3 倍)。
・引き続き基本的な感染防止策を周知。
【当院からの回答】
麻しん(はしか)のワクチンについてのご不安、もっともなことと思います。国内で麻疹の感染者が増加しており、昨年同期の比較で4.3 倍という報告もあります。とくに麻しん(はしか)の予防接種してからどのくらい待てば移植して大丈夫?」という疑問を持つ方も多いと思います。
■ 抗体はあるけど「十分でない」ってどういうこと?
- 健康診断などで麻しんの抗体検査を受け、「IgG抗体は陽性だけど、免疫としては不十分」と言われることがあります。
- これは、体内にある程度の免疫はあるけれど、麻しんに対して完全に安心とは言えない状態だということです。特にワクチン接種歴が1回のみの方は、2回目を打つことで感染リスクをより低く抑えることができます。
- ワクチン接種が推奨される方は、麻しんにかかったことがなく、2回の予防接種を受ける機会がなかった方で、特に医療関係者や児童福祉施設等の職員、学校などの職員など、麻しんにかかるリスクが高い方に薦められます。
■ 麻しんワクチンは「生ワクチン」で風疹ワクチンと混合
- 麻しんワクチンは単独ワクチンとしては流通しておらず、風疹ワクチンとの混合ワクチン(MRワクチン)です。
- これらは「生ワクチン」と呼ばれるタイプで、接種後に体内で軽い感染を起こして免疫をつける仕組みです。そのため、理論上のリスクとして、妊娠していない周期にワクチン接種し、その後は2か月間は妊娠を控えることが推奨されています。
- これは妊娠初期の胎児への影響をできる限り避けるためです。ワクチン自体が直接悪影響を与えると確認されているわけではありませんが、「念のため」という配慮から設けられている安全期間です。
■ では、移植はどうすれば?
- 結論として、MRワクチン接種する場合は、妊娠していない状況で接種し、接種後2か月間の避妊期間を設けたうえで凍結胚移植に進むことが推奨されます。
- この期間をしっかり確保することで、安全に妊活を再開できます。感染症から自分と赤ちゃんを守る大切な準備と考えて、焦らず取り組むことが大切です。
■ 麻しんなどの流行状況をチェック
- 麻しんは日本国内では大きな流行は少ないものの、地域ごとに状況は異なるため、最新の情報をNHKなどの公的機関のサイトで確認することをおすすめします。【岡山県】はしか(麻疹)の感染者数の推移・全国比較 最新ニュース - NHK
■ さいごに
「いつ移植するか」「ワクチンを打つかどうか」――妊活中は判断に迷うことも多いと思います。そんなときは、遠慮せず医師に相談を。あなたにとって最適なタイミングを一緒に考えましょう。健康な妊娠・出産に向けて、一歩一歩進んでいきましょう。