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「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」の名前が変わりました

2026/11/01#PCO

8人に1人の女性に関わる、100年ぶりの名称変更

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)。
排卵がうまくいかない原因として
よく知られた病名です。
実はこの名前、
2026年に変更されました。
新しい名前はPMOS
(多内分泌代謝卵巣症候群)。
なぜ変わったのでしょうか。

❓ そもそも何人くらいに関わるの?

世界で
👩 女性の8人に1人
が該当するとされる、
とても身近な状態です。

❓ なぜ名前を変えたの?

古い名前が
「正確ではなかった」からです。
🚫「多嚢胞性」=病的な嚢胞がある
🚫「卵巣」=卵巣そのものの病気
このどちらも、
実は正しくありません。
名前のせいで
診断が遅れたり見逃されたり、
診療への不満につながってきた、
と指摘されています。

❓ 科学的にはどう理解されているの?

ゲノム解析が進み、
関係する遺伝子は
🩸 インスリンの働き
🧬 性腺刺激ホルモンの働き
⚖️ アンドロゲン(男性ホルモン)の合成
に関わるものが中心だと
わかってきました。
つまり、脳-下垂体-卵巣の軸と
代謝のしくみが
同時に関わる状態です。
卵巣は「原因」ではなく、
乱れたホルモン環境に
反応している臓器
と理解されています。

❓ 新しい名前の意味は?

1語ずつ意味があります。
🔸 Polyendocrine(多内分泌):複数のホルモン系が関わる
🔸 Metabolic(代謝):代謝の異常が中心にある
🔸 Ovarian(卵巣):卵巣の所見は診断に重要
🔸 Syndrome(症候群):症状の幅が大きい

❓ どうやって決めたの?

医学の名称変更としては
異例の規模でした。
👥 22,000人以上
の患者さん・医療者が参加。
内分泌・生殖医療・婦人科・
小児科・皮膚科・精神科・
代謝内科・プライマリケア・看護など
幅広い分野が関わり、
患者さんも「対等なパートナー」として
参加しました。
最終会議では
📊 97%の支持
が得られています。

❓ 患者さんの反応は?

世界調査では
📊 81%が名前の変更を望んでいました。
7,500万件を超える
SNS投稿の分析では、
📊 約80%が事実的・説明的・肯定的
な反応でした。
論文では
「ようやく自分のことを
わかってもらえた、という
感覚だったのではないか」
と表現されています。

❓ これから何が変わるの?

3年計画で
さまざまな整備が進みます。
📋 WHOの疾病コード
📋 電子カルテの病名
📋 診療ガイドライン
📋 患者さん向け資料
そして重要なのが「分類」です。
現在「卵巣の病気」に
分類されているものを、
「内分泌・代謝の病気」の
グループに移すことが
目指されています。

🌈 まとめ

📋 院長からのコメント

名前が変わると聞くと戸惑われるかもしれませんが、これは単なる言い換えではありません。「卵巣の病気」から「ホルモンと代謝が中心の全身の状態」へと、理解の枠組み自体が変わる、意味のある変更です。
診療の現場でも、この状態は排卵だけの問題ではなく、インスリン抵抗性や将来の生活習慣病リスクと密接に関わります。新しい名前は、その実像をよく表しています。しばらくは両方の名前が併用されると思いますので、ご不安があれば遠慮なくお尋ねください。なお、これは名称変更を主導した専門家ご自身による論評であり、変更に慎重な意見も一部にあることは申し添えておきます。

📚 出典

Teede, Helena J., et al. "Reflections on the Journey to Renaming Polycystic Ovary Syndrome to Polyendocrine Metabolic Ovarian Syndrome." Fertility and Sterility, vol. 126, no. 4, 2026, pp. 612-14.

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