【津高本院】不妊治療のページです
「最強の妊活食」は、実は特別なものではなかった
専門家が読み解く、食事と妊娠のほんとうの関係
「これを食べれば妊娠しやすい」
そんな情報がSNSには
あふれています。
でも専門家は、
もっとシンプルな結論に
たどりついたようです。
今回は、前回ご紹介した
大規模研究への
専門家コメントをご紹介します。
❓ 専門家はどう評価したの?
「この研究は優れた妊活食を
見つけたのではない」
と評価しています。
むしろ、
🌱 妊娠しやすさは
🌱 全身の健康状態と
つながっている
という原則を
再確認した研究だ、としています。
❓ なぜ健康的な食事が効くの?
特別な「妊娠のしくみ」に
働きかけるのではなく、
体の土台を整えるからだと
考えられています。
🩸 インスリンの効きをよくする
🔥 慢性的な炎症を減らす
🧬 酸化ストレスを減らす
🫀 血管の働きを改善する
これらが、卵巣の働き・精子づくり・
子宮内膜の受け入れやすさ・
初期の胚の発育に
つながると説明されています。
❓ なぜ「妊活食」は勝てなかったの?
もともとファーティリティ・ダイエットは、
自然妊娠を目指す
健康な女性を対象に
つくられたものでした。
一方、今回の研究の対象は
すでに不妊治療を
始めようとしているカップルです。
対象が違えば、
結果が違っても不思議ではない、
というわけです。
❓ 効果の大きさはどう考えればいい?
1段階あたり
📈 1.05〜1.06倍
という数字は、
決して大きくありません。
専門家は
「食事は治療の成否を決める要因ではなく、
治療を支えるサポート」
と位置づけるべきだと述べています。
❓ 男性にも関係あるの?
大いにあります。
👨 父親側の栄養状態は
🧬 精子の質
🧬 精子のDNAの健全さ
🌱 胚の発育
に関わると考えられています。
「妊活は女性が中心」という
考え方から、
👫 カップル中心のケアへ
切り替えるべきだ、と強調されています。
❓ 流産には効かないの?
流産の多くは、
🧬 胚の染色体異常
🎂 年齢
🏠 子宮やホルモンの要因
で起こります。
食事の改善は
妊娠・着床には
影響するかもしれませんが、
こうした要因を変えることは
難しいと説明されています。
🌈 まとめ
- 「特別な妊活食」が健康的な食事に勝るという証拠はない
- 健康的な食事は、インスリン感受性・炎症・血管機能を整えることで妊娠しやすさを支える
- 効果はごくわずか(約1.05〜1.06倍)で、過大に期待すべきではない
- 男性の栄養状態も重要 ― 妊活はカップル単位で
- 流産の予防を食事に期待するのは難しい
📋 院長からのコメント
ひとりの専門家による論評ですが、日々の診療で感じていることをよく言語化してくれています。制限の多い「妊活食」に真面目に取り組んで疲れてしまう方を、私も何度も拝見してきました。
地中海食のような食事は、続けやすく、将来の心血管・代謝の健康にも役立ちます。妊娠しやすさだけを目的にするのではなく、ご夫婦の生涯の健康づくりの一環として取り入れていただくのがよいと思います。
📚 出典
Dahdouh, Elias M. "The Best Fertility Diet May Simply Be a Healthy Diet." Fertility and Sterility, vol. 126, no. 4, 2026, pp. 669-70.
