【津高本院】不妊治療のページです
part 1:クリニック選び、「成功率」だけで決めてよい?
数字の正しい見方と、「質」のものさし
「A院は妊娠率50%、B院は30%」
ホームページを見くらべて、
おふたりで迷われたことはありませんか。
3お仕事やこれからの暮らしと
治療をどう両立させるか、
考えることの多い時期です。
だからこそクリニック選びは、
数字に振り回されず、
おふたりが納得して決めてほしいと思います。
実は、冒頭の2つの数字は、
そのまま比べることはできません。
今回は、成功率の数字の見方と、
もうひとつの大切なものさしについて
お話しします。
❓ 施設ごとの「成功率」は、そのまま比べてよい?
比べられません。
いちばんの理由は、🔍 分母(何を1回と数えるか)が施設によって違うからです。
同じ2024年の全国データでも、
分母を変えるだけでこう変わります。
同じ成績でも、書き方しだいで
41.4%にも21.3%にもなります。
数字を見たら、
💡「これは何を分母にした数字ですか?」
と確認してみてください。
❓ わたしたちは、どの数字を見ればよい?
答えは「おふたりの年齢の数字」です。
体外受精の成績は、
女性の年齢によって大きく変わります。
30代前半と後半でも違いがあり、
35歳を過ぎるころから
少しずつ下がっていくのが一般的です。
ホームページに載っている「全体の成績」は、
20代から40代まで、
さまざまな年齢の方の平均です。
🔍 若い方が多く通う施設は高めに、
40代の方を多く受け入れる施設は低めに
出やすくなります。
「数字が高い=治療が上手」とは限らないのです。
💡「私の年齢層での成績を教えてください」
と尋ねてみてください。
❓ 「妊娠率」と「生産率」、どちらを見ればよい?
おふたりのゴールは、
赤ちゃんを腕に抱くことです。
「妊娠率」には、その後の流産も含まれます。
表1でも、胚移植1回あたりの
妊娠率41.4%に対して、
生産率(出産に至った割合)は29.6%です。
🔍 年齢が上がるほど流産の割合が高くなり、
妊娠しても出産に至らない方が増えます。
とくに「生産率」を確認してみてください。
✅ おふたりのためのチェックリスト
□ 何を分母にした数字か
□ 自分たちの年齢層の数字か
□ 妊娠率だけでなく、生産率も示されているか
□ いつの、何件くらいのデータか
(件数が少ないと、数字は大きくぶれます)
□ 第三者の審査(JISARTなど)を受けているか
□ 男性の検査も、いっしょに受けられるか
□ おふたりで無理なく通い続けられるか
数字は、クリニックを「比べる」ためだけでなく、
おふたりのこれからの「見通しを立てる」ための
道しるべでもあります。
わからない数字や気になることがあれば、
診察の際などに、どうぞ遠慮なくお尋ねください。
📚 出典
・日本産科婦人科学会「2024年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績(ARTデータブック2024)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2024_JSOG-ART.pdf
・厚生労働省「不妊治療に関する取組」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/funin-01_00004.html
・厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/index.html
