【津高本院】不妊治療のページです
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の名前が変わります!
「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」の病名が変更されます
「えっ、私の治療はどうなるの?」と不安に思われた方もいらっしゃるかもしれません。よくいただくご質問にQ&A形式でお答えします✨
❓Q1. 新しい病名は何ですか?
💡A. 「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」の病名が、世界的な合意によって「多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS:Polyendocrine Metabolic Ovarian Syndrome)」に変更されました。
📝 名前の意味は次のとおりです。
- 多(poly)=いろいろな
- 内分泌(endocrine)=ホルモン
- 代謝性(metabolic)=体のエネルギーの使い方
- 卵巣(ovarian)
- 症候群(syndrome)
「ホルモンや代謝にも関わる病気」ということが、名前から伝わるようになりました。
❓Q2. どうして名前が変わったのですか?
💡A. この病気は 「卵巣だけの病気」ではなく「全身の病気」 だからです。
🔍 これまでの「多嚢胞」という名前は、超音波で見たときの卵巣の"見た目"だけを表していました。実際には「嚢胞(水ぶくれ)」ではなく、途中で育つのが止まった卵胞がたくさん並んで見えている状態です。
一方で、この病気では男性ホルモンが増えたり、インスリン(血糖を下げるホルモン)が効きにくくなったりして、排卵だけでなく体全体に影響が出ることがわかってきました。そのため、病気の本当の姿がわかる名前に変えることになったのです。
❓Q3. 名前が変わると、今の不妊治療も変わりますか?
😊A. ご安心ください!診断の基準や治療方針は基本的に変わりません。
- 排卵誘発
- 人工授精(AIH)
- 体外受精(IVF)
これまでどおり、一人ひとりに合った治療を続けていきます。
❓Q4. 妊娠以外にも気をつけることはありますか?
💡A. はい。PMOSでは、次のような病気になりやすいことがわかっています。
分野 気をつけたい病気・症状
⚖️ 代謝 肥満、2型糖尿病、脂質異常症
❤️ 血管・心臓 高血圧、心筋梗塞・脳卒中
😴 睡眠 睡眠時無呼吸症候群
🪞 見た目 ニキビ、多毛
💭 こころ 気分の落ち込み、不安
👉 特に糖尿病は、体型(BMI)に関係なくなりやすいとされています。国際的なガイドラインでも、やせている方も含めて血糖・脂質・血圧のチェックが勧められています。
😴 いびきや日中の強い眠気、💭 気分の落ち込みが続くときも、ひとりで抱え込まずにご相談くださいね。
❓Q5. 妊活中にできることはありますか?
🏃♀️A. 体重が多めの方は、体重の5〜10%を減らすだけで、不妊治療の成績が上がることがわかっています。
たとえば体重60kgの方なら、3〜6kgが目安です。また、肥満を伴う場合は妊娠中に「妊娠糖尿病」や「妊娠高血圧症候群」が起こりやすくなります。無理のない範囲で、少しずつ生活習慣を整えていきましょう🌱
🥗 当院には栄養士外来があります。「何から始めたらいいかわからない」という方も、どうぞ気軽にご相談ください!
❓Q6. 生まれてくる赤ちゃんへの影響はありますか?
👶A. 研究では、次のような報告があります。
- 👧 女の子:将来PMOSになりやすい可能性
- 👦 男の子:肥満や2型糖尿病になりやすい可能性
ただし、発症には運動や食事などの生活環境が大きく関わっていると考えられています。お子さんが小さいころから、家族みんなで体を動かしたり、バランスのよい食事を楽しんだりすることが、未来の健康につながります⚽
❓Q7. 妊娠・出産したら、もう通院しなくていいですか?
🩺A. 妊娠されたあとも、長い目で体の健康を見守ることが大切です。
PMOSは、妊娠・出産後も糖尿病や高血圧などのリスクが続く病気です。定期的な健康診断を受け、内科の先生にも「PCOS(PMOS)と言われたことがある」と伝えておきましょう。
🌷最後に
今回の名前の変更は、「PMOSの方が、心と体の両方で早めに適切なケアを受けられるように」という願いから生まれました。妊活はもちろん、その先の健康まで、私たちと一緒に考えていきましょう。気になることがあれば、いつでもスタッフにお声がけください💐
📚 参考文献
[1] Teede HJ, et al. Polyendocrine metabolic ovarian syndrome, the new name for polycystic ovary syndrome: a multistep global consensus process. Lancet. 2026;407(10545):2329-2339.
[2] Teede HJ, et al. Recommendations from the 2023 International Evidence-based Guideline for the Assessment and Management of Polycystic Ovary Syndrome. Hum Reprod. 2023;38(9):1655-1679.