【津高本院】不妊治療のページです
卵子凍結の費用を抑える"シンプルな方法"、効果は落ちないという結果
~通院回数を減らしても、
採れる卵子の数は変わらなかった~
卵子凍結(妊孕性温存)は、
将来の選択肢を広げる一方で、
費用や通院の負担が
大きな壁になっています。
今回は、その負担を
大きく減らせる可能性がある
新しい方法をご紹介します。
❓ 通常の卵子凍結、何が負担なの?
一般的なプロトコルでは、
🏥 通院(エコー)5〜7回
🩸 採血 3〜5回
💰 アメリカでの相場は
1回あたり150万〜360万円
(12,000〜24,000ドル)と
身体的にも経済的にも
大きな負担があります。
❓ 今回の"簡略化した方法"は何が違うの?
「カーディナルプロトコル」
という名前のこの方法は、
🏥 通院はたった2回
(開始日と刺激9日目)
🩸 採血なし
💊 あらかじめ決まった量の
注射薬を使用
という、シンプルな方法です。
❓ 効果は落ちてしまうんじゃないの?
118人を対象にした研究では、
✅ 採れた成熟卵子の数に、
通常の方法との明確な差はなし
(統計的に「非劣性」と確認)
という結果でした。
❓ 費用はどれくらい変わったの?
中央値で、
💰 約75万円(5,004ドル)
の費用削減(約20%減)
が確認されました。
さらに、
😊 満足度もこの方法の方が高い
(85% vs 65%)
という結果でした。
❓ 何か気をつける点はあるの?
興味深いことに、
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は
シンプルな方法の方が
📉 少ない傾向(2.9% vs 23%)
でした。これは注射量が
少なめに設定されていたことも
関係していると考えられます。
🌈 まとめ
- 通院・採血を減らしたシンプルな卵子凍結プロトコルでも、採れる卵子の数に明確な差はなかった
- 費用を約20%(約75万円)削減できる可能性がある
- 満足度もシンプルな方法の方が高かった
- OHSSの発生率もシンプルな方法の方が低い傾向だった
📋 院長からのコメント
通院・採血の回数を減らしながら、採れる卵子の数や患者満足度は落とさなかったという結果は、卵子凍結の経済的・身体的なハードルを下げる可能性を感じさせます。
ただし1施設での非ランダム化研究であり、今後ランダム化比較試験での検証が待たれます。ご自身に合う方法かどうかは、主治医とよく相談してください。
📚 出典
Chung EH, Raj-Derouin N, Zhang J, et al. The Cardinal protocol: investigating a simplified, cost-conscious option for oocyte cryopreservation in a prospective noninferiority cohort study. Fertility and Sterility Reports. 2026;7(4):301-312.
