【津高本院】不妊治療のページです
体外受精じゃない選択肢 「IVM(体外成熟培養)」で生まれた子どもの5年後
注射をあまり使わない治療法、その長期的な安全性
排卵誘発の注射をできるだけ使わずに
卵子を育てる方法があります。
「IVM(体外成熟培養)」という
この方法で生まれた子どもたちの
5年後の発育を追跡した研究をご紹介します。
❓ IVMってどんな治療法?
通常の体外受精と違い、
💉 注射(排卵誘発剤)をほとんど使わずに
未成熟な卵子を採取し、
体の外で成熟させる方法です。
費用や体への負担が少なく、
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の
リスクもほぼありません。
❓ ただし、デメリットもあるの?
はい。従来のIVMは、
🔻 受精率や胚の質が通常の体外受精よりやや低い傾向がありました。最近は改良版の「CAPA-IVM」という方法が開発されています。
❓ 生まれた子どもは大丈夫なの?
今回ご紹介する研究では、
CAPA-IVMで生まれた子ども89人と
通常の体外受精で生まれた子ども125人を
5年間追跡しました。
✅ 発達検査(言葉・運動・社会性など)に
明確な差はみられませんでした。
❓ これまでの追跡調査は?
同じ研究グループが、
生後6か月・12か月・24か月時点でも
発達に大きな差がないことを
すでに報告しており、
今回の5年後の結果は
これまでで最も長期の追跡データです。
🌈 まとめ
- CAPA-IVM(改良型の体外成熟培養)は、注射の負担が少ない治療法の選択肢
- 5年間の追跡で、通常の体外受精との子どもの発達に明確な差はみられなかった
- 妊娠・出産率そのものは、通常の体外受精にまだ及ばない可能性がある
- 卵巣の反応が強い方など、特定の状況で検討される治療法
📋院長からのコメント
CAPA-IVMで生まれた子どもについて、幼児期までの発達に通常の体外受精との差がみられなかったことは、安心につながる結果です。注射の負担や卵巣過剰刺激のリスクを抑えられる点も期待されます。
ただし、対象人数や追跡率には限界があり、妊娠・出産率も含めてさらなる検証が必要です。卵巣の状態などを踏まえ、適応は主治医と慎重に判断することが大切です。
📚 出典
Kadesh A, Franasiak J. Maturation takes time: long-term follow-up after capacitation in-vitro maturation [Reflections]. Fertility and Sterility. 2026;126(2):439-440.
