【津高本院】不妊治療のページです
流産、それは"たまたま"? もしかしたら"調べられる"時代がくるかもしれません
「流産してしまった…」その理由がわからないまま、次の妊娠への不安だけが残る。
そんな経験をされた方も少なくないと思います。
実は最近、 🤖 年齢や体重などの情報だけで「その流産の"タイプ"」を予測するAIモデルの研究が発表されました。
❓ 流産って、そんなに多いの?
妊娠された方の 🤰 4人に1人が経験するといわれています。
特別なことではありません。
❓ 流産には"タイプ"があるの?
実は、大きく2つに分けられます。
🎲 タイプ1:赤ちゃんの染色体にたまたま起きたトラブル(約55%) 🔍 タイプ2:染色体は正常なのに起きてしまう流産(約45%)タイプ2には、お母さん側・パートナー側の別の要因が隠れている可能性があります。
❓ 今の医療の"壁"は?
現在は、2〜3回流産を繰り返してからようやく詳しい検査(不育症検査)が行われるのが一般的です。
本当は詳しく調べるべき方が見つかるまでに時間がかかってしまう、という課題がありました。
❓ AIで何がわかるようになった?
デンマークの研究チームが、 📋 年齢・体重・血圧 📋 持病の有無 📋 ビタミンD・Eの摂取など、すでにわかっている情報だけで、「その流産がタイプ1か、タイプ2か」を予測するモデルを開発しました。
対象は約1,200人の女性です。
❓ どのくらい正確に予測できるの?
予測の正確さは 🎯 約7割まだ診断に使えるレベルではありませんが、「詳しく調べるべきかどうか」を絞り込むヒントになる可能性があります。
❓ ビタミンとの関係も見つかった?
この研究では、 💊 ビタミンD・Eを摂っていた方はタイプ2(原因不明タイプ)の流産が少ない傾向がみられました。
ただし、これは「関連」であって「摂れば防げる」という証明ではありません。
自己判断でのサプリ増量は避け、気になる場合は主治医に相談してください。
🌈 まとめ
✅ 流産は4人に1人が経験する、特別ではないこと ✅ 流産には「たまたまのタイプ」と「別の原因があるかもしれないタイプ」がある ✅ AIで両者を予測する研究が進んでいる(現状は精度7割程度) ✅ ビタミンD・Eとの関連も報告されたが、因果関係は未証明 ✅ 流産の多くは、ご自身の生活や行動が原因ではない
📋 院長からのコメント
流産の予測に、母体の情報だけでなく、父親の年齢やBMI、生活・栄養に関する情報まで取り入れた点は、とても興味深い研究です。流産は女性側だけの問題ではなく、カップル全体の健康状態を含めて考える必要があることを改めて示しています。
一方、今回のAIモデルの予測精度は中程度であり、現時点で個々の患者さんの流産を正確に予測できる水準ではありません。また、ビタミンDやビタミンEの摂取が予測因子に含まれていても、サプリメントを摂取すれば流産を予防できると証明されたわけではありません。
将来、こうしたAIがリスクの高い方を早めに支援へつなげる補助ツールになる可能性はありますが、実際の診療に導入するには、より多くの患者さんを対象とした検証が必要です。現段階では、結果を過度に心配したり、自己判断でサプリメントを追加したりせず、研究途上の新しい試みとして受け止めることが大切です。
📚 出典
Banasik K, Tummoszeit I, Bliddal S, et al. Developing and validating a machine learning approach for prediction of euploid pregnancy loss in the Copenhagen pregnancy loss study. Fertility and Sterility.
