【津高本院】不妊治療のページです
精子凍結保存は進化している(新しい「ガラス化凍結」とは?)
❄️精子凍結保存の新しい可能性とは?
妊活や男性不妊治療、がん治療前の妊孕性温存などで行われる「精子凍結保存」。現在、多くの施設では「緩慢凍結(ゆっくり凍らせる方法)」が標準的に用いられています。この方法は長年の実績があり、安全性や信頼性が確立されています。
一方で近年、新たな凍結方法として「ガラス化凍結(Vitrification)」が注目されています✨ガラス化凍結は、非常に速い速度で凍結することで氷の結晶ができるのを防ぎ、精子へのダメージを減らすことを目的としています。

今回紹介する論文では、提供精子を用いて従来の緩慢凍結とガラス化凍結を比較しました。その結果は下記でした。
✅ 受精率はガラス化凍結でやや良好な傾向
✅ 顕微授精(ICSI)の成績はほぼ同等
✅ 妊娠率や胚発育は両者とも良好
つまり、現時点では従来の凍結法も十分に優れていますが、ガラス化凍結は新たな選択肢となる可能性があります。
特に注目されているのは下記のような方についてです。
🔹 精子数が非常に少ない方
🔹 精巣内精子採取(TESE)で得られた貴重な精子を保存したい方
🔹 非閉塞性無精子症などで採取できる精子が限られている方
このようなケースでは、凍結後に生存する精子を少しでも多く確保できることが大きな意味を持ちます。生殖医療は「その患者さんに最適な治療を選ぶ時代」へ進んでいます。精子凍結保存も一律ではなく、患者さんの状況に応じて最適な方法を選択することで、将来の妊娠の可能性をより大切に守れるかもしれません🌱
≪出典≫
Sadek, Seifeldin, and Amr S. El Haraki. “Too Fast, Too Frozen: Rethinking Sperm Cryopreservation.” Fertility and Sterility, vol. 125, no. 5, 2026, pp. 799–