【津高本院】不妊治療のページです
体外受精の保険適用で何が変わった? 双子妊娠が増えている理由とは
👶 双子や三つ子が増えている?
今回は、最近ニュースでも話題になっている「体外受精の保険適用後、双子や三つ子などの“多胎妊娠”が増えている」というテーマについて、できるだけ分かりやすくお話しします
🍼 「多胎妊娠」って?
多胎妊娠とは、1回の妊娠で複数の赤ちゃんを授かることです。
👶👶 双子
👶👶👶 三つ子
「にぎやかで幸せそう」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、医学的には注意が必要な妊娠でもあります。
⚠️ 多胎妊娠にはリスクもあります
双子や三つ子などの多胎妊娠では下記が増えることが知られています。
🤰 お母さんへの負担
- 妊娠高血圧症候群
- 妊娠糖尿病
- 早産リスク増加
- 帝王切開率上昇
👶 赤ちゃんへの影響
- 低出生体重
- 早産
- NICU入院
このため、日本産科婦人科学会では「受精卵を戻すのは原則1個(単一胚移植:SET)」を推奨しています。
🏥 2022年から体外受精も保険適用に
2022年4月から、体外受精などの生殖補助医療(ART)が保険適用になりました✨これによって、
- 治療を受けやすくなった
- 経済的負担が軽減した
という大きなメリットがありました。
実際に、日本全体でART治療件数は増加しています。
📈 では、なぜ双子が増えたの?
ここが今回のニュースのポイントです☝️
保険診療では、 胚移植回数に上限があります
- 40歳未満:最大6回
- 40〜42歳:最大3回
このため、「限られた回数で妊娠したい」という気持ちから、一度に2個以上の受精卵を戻す(多胚移植)ケースが一定数みられる可能性があります。
🔍 最新研究で分かったこと
東邦大学などの研究グループが、日本全国600以上の施設データを解析しました。その結果、
📊 2023年の多胎妊娠数は、4354例で過去最多となったことが報告されました。一方で重要なのは、
「多胚移植率そのもの」は大きく増えていないという点です。つまり、
- 治療を受ける人が増えた
- 妊娠数全体が増えた
結果として、多胎妊娠の“絶対数”が増えたと考えられています。
🌱 医療機関が大切にしなければならないこと
不妊治療では、「妊娠すること」だけではなく、「安全に出産までたどり着くこと」がとても大切です。
そのためできるだけ単一胚移植(SET)を基本に
- 年齢
- 胚の状態
- 過去治療歴
- 妊娠率
- 安全性
これらを総合的に考えながら治療方針を提案する必要があります。
💬 さいごに
ニュースを見ると不安になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、
✅ 保険適用によって治療を受けやすくなったこと
✅ 多くの方が妊娠できるようになったこと
は、とても大きな前進です✨
その上で、「赤ちゃんを安全に迎える」という視点を大切にしながら、これからも医療は進歩していきます。気になることがあれば、いつでもご相談ください。
📚 出典
- Ito A, Jwa SC, Kuwahara A, et al.
Impact of health insurance coverage for assisted reproductive technology on multiple embryo transfers and multiple pregnancies in Japan.
Journal of Obstetrics and Gynaecology Research. 2025.
DOI: 10.1111/jog.16304
共同通信(2026年5月25日報道)
「生殖医療の多胎妊娠最多に 23年4千例、保険適用後増」
