【津高本院】不妊治療のページです
検査は少なくても大丈夫?凍結胚移植の新しい考え方
「通院が大変」「検査が多くて不安」
体外受精や凍結胚移植(FET)を考え始めたとき、こうした声をよく耳にします。
最近の研究では、条件が整った一部の方では、毎回のホルモン検査や超音波検査を省略しても、妊娠率が変わらない可能性が示されました。
凍結胚移植って、どんな治療?
凍結胚移植(FET)は、いったん凍結保存した受精卵(胚)を、後の周期に子宮へ戻す治療です。
ホルモン補充周期(HRT周期)では、
- エストロゲンで子宮内膜を育てる
- プロゲステロンで着床の準備をする
という流れで進みます。
これまでは
「ちゃんと内膜が育っているか」
「ホルモン値は適切か」
を確認するため、何度も採血や超音波検査が行われるのが一般的でした。
最新の研究でわかったこと
2025年に発表された研究では、
- 37歳未満
- 良好な予後が見込まれる
- 良好胚盤胞を1個移植
という条件を満たした方を対象に、
👉 ホルモン検査・超音波検査を行わない群
👉 従来通り検査を行う群
を比較しました。
結果は――
妊娠率・流産率・継続妊娠率に差はありませんでした。
つまり、**条件がそろえば「検査を省略しても安全性や妊娠成績は保たれる」**可能性がある、ということです。
患者さんにとってのメリット
検査を省略できることで、
- 通院回数が減る
- 仕事や生活との両立がしやすい
- 費用や身体的・精神的負担が軽くなる
といったメリットが期待できます。
特に遠方から通院されている方にとっては、大きな安心材料になるかもしれません。
ただし、誰にでも当てはまるわけではありません
この方法は、すべての方に適しているわけではありません。
- 年齢
- これまでの治療経過
- 内膜の状態
- 不妊原因
によっては、従来どおり慎重なモニタリングが必要な場合もあります。
大切なのは、
「検査を減らすこと」ではなく、「その方に合った安全な方法を選ぶこと」です。
最後に
不妊治療は、がんばりすぎなくていい医療でもあります。
医学的に問題がなければ、少し肩の力を抜ける選択肢が増えてきているのは、とても前向きな変化です。
気になる方は、ぜひ主治医と相談してみてくださいね。
≪出典≫
Asoglu, Mehmet Resit, et al. “Validity of Completely Omitting Endocrine and Ultrasound Monitoring in Hormone Replacement Therapy Protocols for Frozen Embryo Transfer in Good-Prognosis Patients Undergoing Single Blastocyst Transfer.”
Fertility and Sterility, vol. 124, no. 5P2, 2025, pp. 1024–1031.