【津高本院】不妊治療のページです
アシステッド・ハッチングって必要? 最新研究から見えた意外な結果
体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)の世界には「アシステッド・ハッチング(AH)」という技術があります。これは、受精卵が子宮に着床しやすいように、外側の膜(透明帯)に小さな穴を開ける方法です。
「少しでも妊娠率を上げたい!」と思うと魅力的に聞こえますよね。
でも、最新の研究では、必ずしもプラスにならないことがわかってきました。
🔬 最新研究のポイント
- アメリカの29施設で、**2,617個の胚(卵子提供による凍結卵子から作られた胚)**を対象に調査。
- そのうち 64%がAHあり、36%がAHなし。
- 結果は…
- 化学的妊娠率(72% vs 76%)
- 臨床妊娠率(61% vs 66%)
- 継続妊娠率(57% vs 62%)
いずれも AHをした方が低いという結果でした。
⚖️ なぜマイナスになるの?
- AHは本来「着床を助ける」ための技術ですが、
- 高度に管理された卵子(若いドナー卵・凍結後の良好胚)では、もともと着床力が高いため不要だった可能性があります。
- 逆に、操作を加えることで余計なダメージやコストが増えてしまったと考えられます。
💡 では、どんな人に必要なの?
ガイドラインでは、以下のような場合に検討されることがあります:
- 38歳以上の方
- 卵巣予備能が低い(AMHが低いなど)
- 着床不成功が何度も続いている場合
ただし今回の研究からは、「若いドナー卵や質の高い胚」ではむしろ避けた方がよいという示唆が得られました。
🤝 まとめ
- AHは「万能の成功率アップ法」ではありません。
- 特に凍結卵子からの胚移植では、ルーチンで行うと逆効果になる可能性があります。
- 治療の選択は、医師とよく相談し、ご自身の状況に合わせて進めましょう✨。
📚出典
- Walker Z. Do you require any assistance?—assisted hatching may have negative impact on cycles using vitrified/warmed donor oocytes. Fertil Steril. 2025;124(2):242–243. doi:10.1016/j.fertnstert.2025.04.018