【津高本院】不妊治療のページです
なぜ着床しないの?子宮内膜のタイプ別に分かったこと
妊活をしている多くのカップルが悩むことのひとつに、**「なぜ良い胚を戻しても着床しないのか?」**があります。最近の研究では、子宮内膜の状態がカギを握っていることがわかってきました。
これまでは「着床の窓(Window of implantation)」という、受精卵が子宮に根づきやすいタイミングに注目していました。しかし最新の研究では、タイミングだけではなく子宮内膜の“質”そのものに違いがあることが明らかになっています。
🔬 研究で分かった「4つのタイプ」
人工知能(AI)を使った解析で、体外受精を受けている患者さんの子宮内膜を調べたところ、4つのパターンに分かれることが分かりました。
- c1タイプ:妊娠率・出産率ともに高い「最も良好なタイプ」
- c2タイプ:妊娠率は高いが、出産率はやや低め
- p1タイプ:妊娠しても初期流産(化学流産)が多いタイプ
- p2タイプ:一度は妊娠するものの、その後の流産が多いタイプ
つまり、同じように見える子宮内膜でも、妊娠のしやすさや流産のリスクに違いがあることが見えてきたのです。
💡 なぜ違いが出るの?
研究チームは、子宮内膜の「遺伝子の働き方(遺伝子発現パターン)」を調べました。その結果、
- p1タイプでは免疫反応が強すぎて、胚を受け入れにくい
- p2タイプでは代謝(エネルギーを作る働き)が弱く、妊娠初期は順調でも後から維持できない
といった特徴が見つかりました。
一方で「良好タイプ」のc1やc2は、免疫や代謝のバランスが整っており、妊娠をサポートできる状態になっていました。
👩⚕️ これからの妊活にどう役立つ?
この研究はまだ初期段階ですが、将来的には**「あなたの子宮内膜はどのタイプか?」を診断して、それに合わせた治療を選ぶ**ことができるかもしれません。
- 免疫のバランスを整える治療
- 代謝をサポートするアプローチ
- 移植のタイミングや方法の最適化
など、一人ひとりに合った「オーダーメイド妊活」が現実になっていく可能性があります。
🌸 メッセージ
「どうして私たちはうまくいかないんだろう…」と感じるとき、原因があなたやパートナーのせいではなく、**子宮内膜のタイプという“体質の違い”**によるものかもしれません。
研究の進歩は、そんな見えない要因を解き明かし、より多くのカップルに赤ちゃんを抱く未来を届けようとしています。安心して希望を持ち続けてくださいね。
≪出典≫
- Sanchez-Reyes JM, Parraga-Leo A, Sebastian-Leon P, et al. Stratifying IVF population endometria using a prognosis gradient independent of endometrial timing. Human Reproduction. 2025;00(00):1–10. doi:10.1093/humrep/deaf156