【津高本院】不妊治療のページです
「不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)に関する細則」の改定
日本産科婦人科学会から下記の通達がありました。
着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の検査対象として、これまでの1)2)に加え、3)が追加されます。
1)反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦.
2)反復する流死産の既往を有する不育症の夫婦.
ただし,1)と2)について夫婦のいずれかに染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている場合を除く.
3)女性が高年齢の不妊症の夫婦.
現時点(2025年9月の時点)では,女性年齢は35歳以上を目安とする.
「不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)に関する細則」の改定について(2025年9月9日)
日本産科婦人科学会 理事長 万代 昌紀
臨床倫理監理委員会 委員長 三浦 清徳
不妊症および不育症を対象とした着床前遺伝学的検査に関する審査小委員会 委員長 永松 健平素、会員の皆様におかれましては、見解・細則に基づくPGT-Aの実施をいただきありがとうございます。
ご存じの通り、2022年1月に新たな着床前遺伝学的検査に関する見解・細則が施行され、PGT-Aについて「不妊症および不育症を対象とした着床前遺伝学的検査に関する見解」および「不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)に関する細則」に基づいた運用を行っていただいています。この細則ではPGT-Aの検査の対象として、これまで1)反復する体外受精胚移植の不成功もしくは2)反復する流死産の既往を有する夫婦を定めておりました。一方、臨床倫理監理委員会では、本見解・細則について継続的な議論を行って参りました。このたび「不妊症および不育症を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-A)に関する細則」における【1】検査の対象が改定され、最近のエビデンスに基づき出生率の向上・流産率の低下を目的として“女性が高年齢の不妊症の夫婦(現時点(2025年9月の時点)では,女性年齢は35歳以上を目安とする.)”が追加されました。
諸外国からの昨今の報告において、PGT-Aによる一定の期間における生児獲得率について女性の年齢に応じてその有益性が影響を受ける可能性があることが示されております。そうした中で、高年齢の女性の夫婦では有益性が高まる可能性がある一方で、体外受精胚移植の不成功や流死産歴に関係なく実施した際、年齢層が低い場合、PGT-Aを行うことはむしろ出生率を低下させていること、現時点の論文ではその境界が35歳程度であることであったことから、そのメリット・デメリットを十分に患者に説明する必要があります。
本検査は、あくまで、出生率の向上と流産率の低下を目的とするものであり、生命倫理的観点からも、児のスクリーニングを目的として用いることは容認されません。なお、現時点(2025年9月の時点)で本検査は保険収載されておらず、私費診療として実施されますので、混合診療とならないようにご留意ください。 また、実際の運用開始等の詳細については、あらためて学会より認証施設に対して通知いたします。【変更前】
【1】検査の対象
着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の対象は,以下とする.
- 反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦.
- 反復する流死産の既往を有する不育症の夫婦.
ただし,夫婦のいずれかに染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている場合を除く.
【変更後】
【1】検査の対象
着床前胚染色体異数性検査(preimplantation genetic testing for aneuploidy:PGT-A)(以下本法)の対象は,以下の1), 2),3)のいずれかに該当する夫婦とする.
1)反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦.
2)反復する流死産の既往を有する不育症の夫婦.
ただし,1)と2)について夫婦のいずれかに染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている場合を除く.
3)女性が高年齢の不妊症の夫婦.
現時点(2025年9月の時点)では,女性年齢は35歳以上を目安とする.