【津高本院】不妊治療のページです
知られざるドナーの思い「生まれてきた子どもと向き合うとき」
はじめに
体外受精や第三者からの卵子・精子提供は、多くのご夫婦に希望をもたらします。
一方で、提供する側であるドナーの思いはあまり知られていません。
最新の研究では、過去にドナーとなった方々が 年月を経て、自分の寄付を「一生にわたる責任」だと再評価している ことが明らかになりました。
🌱ドナーの気持ちは時間とともに変わる
- 提供当時は「細胞の一部を分けるだけ」と考えていた方も多くいました。
- しかし自分が親になったり、時代の変化(DNA検査や法改正)を経験する中で、
「自分の寄付で生まれた子どもが確かに存在する」という実感を持つようになります。
👶「命をつくる」という重み
- 多くのドナーは、寄付によって「人間をこの世に送り出した」という事実を強く意識するようになりました。
- その子どもたちには「自分のルーツを知る権利がある」と感じる人も少なくありません。
- 実際、DNA検査などを通じてドナー子どもから連絡を受けるケースも増えています。
⚖️予想外の影響も
- ドナー自身の病気や家族歴が後から判明し、「知らないうちに子どもに遺伝させたかもしれない」と不安を抱く例もあります。
- また、寄付によって生まれた子どもが家庭内で苦労していたことを知り、「自分も責任の一部を担っている」と感じる人もいました。
- ドナーの家族(配偶者や自分の子ども)への影響、さらには「知らずに近親婚のリスクに関わるかもしれない」と心配する声も。
💡カップルへのメッセージ
この研究は、ドナーを「一度限りの提供者」ではなく、家族形成に関わる重要な当事者 として捉える必要性を示しています。つまり、卵子や精子を通じたご縁は、長く続く「つながり」でもあるのです。
挙児を希望される方にとっては、
- ドナーも「人生をかけた選択」をしている
- 生まれてくる子どもには「自分の出自を知る権利」がある
ということを理解しておくことが大切です。
📖まとめ
卵子や精子の提供は、単なる「医療的な一場面」ではなく、命をつなぎ、人生を形づくる大きな選択 です。
受け取る側も、提供する側も、そして生まれてくる子どもたちも、それぞれの視点を尊重しながら歩んでいける社会づくりが求められます。
📝出典
Martin A, Côté I, Desjardins S. ‘A lifelong decision’: a qualitative study of retrospective perceptions held by egg and sperm donors. RBMO. 2025;51(3):104986. doi:10.1016/j.rbmo.2025.104986
