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凍結胚移植の前にピルを使っても大丈夫?最新データでわかる安心材料
凍結胚移植の前、「ピルを飲みましょう」と言われて不安になったことはありませんか?
自然周期での凍結胚移植(nFET)を予定している方の中には、移植スケジュールを整える目的で、事前に低用量ピルを処方されることがあります。そのとき、よく聞かれるのがこんな声です。
- 「ピルって、妊娠しにくくならない?」
- 「ホルモンに影響が出ないの?」
- 「短期間でも影響はあるの?」
実は、こうした疑問に正面から答えた研究が、2025年に報告されました。
研究の概要:363周期を詳しく分析
この研究では自然周期または修正自然周期の凍結胚移植(nFET)363周期が解析されました。
- 対象患者の年齢中央値:36.1歳
- 92%が規則的な月経周期
- 移植はすべて凍結胚移植
そのうち、
- ピルを使用しなかった周期:239周期
- 事前にピルを使用した周期:124周期(34.2%)
でした。
ピルの使用期間は**中央値9日(6〜16日)**で、
- 7日未満
- 7〜13日
- 14日以上
と、さまざまな期間が含まれていました。
気になる結果①:出生率に差はあった?
もっとも重要な「出生率(生児獲得率)」は以下の通りでした。
- ピルなし:50.0%
- ピルあり:55.4%
統計的に見ると、
👉 差はなく、妊娠・出産の可能性は下がっていません。
年齢・BMI・不妊原因・PGT-Aの有無などを調整した解析でも、ピル使用による不利益は認められませんでした。
気になる結果②:流産やキャンセルは?
さらに、
- 妊娠率
- hCG陽性率
- 流産率
- 移植キャンセル率
についても比較されましたが、
いずれもピル使用の有無で有意差はありませんでした。たとえば流産率は、
- ピルなし:8.4%
- ピルあり:10.1%
と、こちらも統計的な差はありません。
「ピルの期間が長いと悪影響?」という疑問にも答えが
「短期間ならいいけど、2週間以上はどうなの?」という疑問に対しても、この研究は検討しています。結果は、
- 7日未満:出生率 56.8%
- 7〜13日:54.6%
- 14日以上:55.0%
👉 ピルの使用期間による差も認められませんでした。
この結果が意味すること
この研究から言えるのは、
- 移植前のピルは
「スケジュール調整のための手段」 - 少なくとも自然周期FETでは
妊娠率や出生率を下げない
という点です。
忙しい日常の中で、「この日に移植したい」「通院回数を減らしたい」という希望を叶えるためのピル使用は、医学的にも十分に許容される選択肢だと言えるでしょう。
不安は「数字」で安心に変えられる
治療中は、どうしても「余計なことをして失敗したらどうしよう」という不安がつきまといます。
でも、こうしたデータを知ることで、治療の選択肢が“怖いもの”から“理解できるもの”に変わります。
≪出典≫
Pollie, Meridith Paige, et al.
“Use of Oral Contraceptive Pills before Natural Frozen Embryo Transfer Cycles: Impact on Pregnancy and Live Birth.” Fertility and Sterility, vol. 124, no. 5, 2025, pp. 1115–1117.