【津高本院】不妊治療のページです
妊娠できた、その先を大切にするために ― アッシャーマン症候群と妊娠経過
妊娠できた、その先も大切にするために
不妊治療を経て妊娠反応が出た瞬間は、何にも代えがたい喜びですねでも同時に、「この妊娠は順調に進むのだろうか」「無事に出産までたどり着けるのかな」と、不安な気持ちが顔を出す方も少なくありません。
アッシャーマン症候群ってどんな状態?
アッシャーマン症候群とは、流産後の子宮内容除去術や、出産後の処置などをきっかけに、子宮の内側が癒着してしまう状態です。
月経量が減ったり、不妊の原因になったりするため、子宮鏡手術で癒着をはがす治療(子宮鏡下癒着剥離術)が行われます。治療によって妊娠できる可能性はしっかり回復することが多い、というのはとても大切なポイントです。
妊娠「できた後」に、少し注意が必要な理由
2025年に発表された大規模研究では、アッシャーマン症候群の治療後に妊娠した方は、そうでない方に比べて、
- 早産
- 逆子
- 分娩後の出血が多くなる
- 胎盤がはがれにくい
といったことがやや起こりやすいことが分かりました。とくに、
- 出産後の処置がきっかけで癒着ができた場合
- 癒着が強かった場合
には、注意深い妊娠管理が大切になります。
知っておいてほしい大事なこと
ここで、ぜひ知っておいてほしいのは、
👉 「リスクがある」=「うまくいかない」では決してないということです。実際、多くの方が無事に赤ちゃんを出産されています。ただし、
- 妊娠初期から産科医にしっかり情報を共有する
- 妊娠中の経過を少し丁寧に見守る
ことで、防げるトラブル・早く対応できる変化が増えるのです。これは「心配だから管理する」のではなく、「安心して妊娠期間を過ごすための準備」と考えてください。
私たち医療者が大切にしていること
生殖医療と産科は、どうしても担当が分かれることがあります。だからこそ、
- どんな治療を受けてきたのか
- 子宮の状態はどうだったのか
きちんと次の主治医に伝えることがとても重要です。妊娠はゴールではなく、新しいスタート。
「妊娠できたこと」も、「安全に出産を迎えること」も、どちらも同じくらい大切です。
一人で抱え込まず、気になることは遠慮なく相談してください。
≪出典(MLA形式)≫
Hanstede, Miriam M. F., et al. “The Threat of Asherman Syndrome: A Propensity Score–Matched Study of Fetal-Maternal Outcomes.” Fertility and Sterility, vol. 124, no. 5, 2025, pp. 1104–1114.
