【津高本院】不妊治療のページです
着床しない・流産を繰り返す…その理由と“受精卵の染色体”の関係
「何度も移植しているのにうまくいかない…」
「やっと妊娠しても流産してしまう…」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
実はその原因のひとつとして、**受精卵の“染色体の状態”**が関係していることがあります。
🧬受精卵の“染色体異常”とは?
人の細胞には通常46本の染色体があります。
しかし、受精卵の段階でこの数にズレがあると、
- 着床しない
- 流産してしまう
といったことが起こりやすくなります。
特に年齢とともにこの異常は増えることが知られています。
🔍PGT-Aとはどんな検査?
PGT-A(着床前胚染色体検査)は、
移植前に受精卵の染色体を調べる検査です。
この検査によって、
- 染色体が正常(=妊娠しやすい可能性が高い)
- 異常(=着床しにくい・流産しやすい)
を見分けることができます。
📊大規模研究からわかったこと
日本産科婦人科学会による全国規模の研究では、
- 約1万件以上の治療データを解析
- 約4万個以上の胚を評価
その結果…
👉 正常な染色体をもつ胚は約25%
👉 約60%以上は異常胚
👉 正常胚が1つも得られないケースも約60%
という現実が明らかになりました。

🌈PGT-Aで何が変わるの?
この研究では、正常な胚を選んで移植すると
- 妊娠率:約68.8%
- 流産率:約10.4%
と、非常に良好な結果が得られています。
さらに重要なのは、
👉 年齢が高くても、良い胚を選べば成績は安定する
という点です。
⚠️知っておきたいポイント
ただし、PGT-Aにも大切な注意点があります。
- すべての人に必ずしも有効とは限らない
- 正常胚が得られないこともある
- 累積の出産率が必ず上がるとは限らない
つまり、「万能な検査」ではありません。
💬こんな方に検討されることが多いです
- 何度も移植しているが妊娠しない
- 流産を繰り返している
- 年齢的な不安がある
- 染色体異常のリスクが気になる
🌷最後に
不妊治療は、「がんばり」が結果に直結しないことも多く、
とてもつらい時間になることがあります。
でも最近は、
👉「胚の質」を見極める時代
に変わりつつあります。
一人ひとりに合った選択肢を、
一緒に考えていけると良いですね。
📚出典
Iwasa T, et al. Preimplantation genetic testing for aneuploidy and chromosomal structural rearrangement: A summary of a nationwide study by the Japan Society of Obstetrics and Gynecology. Reprod Med Biol. 2023.