【津高本院】不妊治療のページです
ビタミンDの生殖免疫への働き
ビタミンDの生殖免疫への働き
- 骨形成と関わることで知られているビタミンDは、さまざまな細胞の免疫調節と関与する重要なステロイドホルモンです。
- 着床や妊娠維持において、男性由来の遺伝子を含む受精卵を受容する免疫を獲得する必要があります。
- 妊娠の免疫機構は、主にヘルパーT細胞から産生されるサイトカインが担い、細胞性免疫を誘導するTh1細胞と液性免疫を誘導するTh2細胞に分類され、これらを制御性T細胞がコントロールしています。
- 正常妊娠では胚の着床・妊娠維持において細胞障害性のあるヘルパーT1細胞(Th1)が減少し、ヘルパーT2細胞(Th2)が優位となります。
- ビタミンDは、これらのヘルパーT細胞の制御と関与し、妊娠うを誘導することが予測されます。
- ビタミンDの欠乏は、不妊症,不育症、さらには妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの合併症と関係することが報告されています。
第65回 日本生殖医学会における講演から
末梢血の貯蔵型ビタミンD(25ヒドロキシビタミンD3;欠乏<12 ng/ml,不足12-30 ng/ml,充足>30 ng/ml)とTh1/Th2細胞の関係から、ビタミンD欠乏でTh1/Th2細胞比が上昇(≥ 10.3)している場合が充足群と比較し、有意に多いことがわかった。さらにビタミンD不足群にビタミンDサプリメントを1日1,000単位、3か月間補充を行うと、そのほぼ全例でTh1およびTh1/Th2細胞比の低下を認めた。
しかし、充足しなかった症例ではヘルパーT細胞の有意な変化を認めなかった。
これらの結果から、ビタミンDを補充し、Th1/Th2バランスを改善することが着床不全症例の治療戦略として有効と考えられます。