【津高本院】不妊治療のページです
母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)を考えている方へ
👶母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)を考えている方へ
❓「NIPTって何?信頼できる検査なの?」
👉 NIPTは、お母さんの血液から赤ちゃんの染色体を調べる検査です。
👉 ただし重要なポイントは“赤ちゃんそのもの”ではなく胎盤のDNAを見ている検査です
❓「じゃあ、赤ちゃんと胎盤は同じじゃないの?」
👉 基本的には同じです。
👉でも 一部のケースでは違うことがあります
💡その理由:「モザイク現象」
👉 妊娠のかなり早い段階で
- 細胞の一部にだけ異常が起こる
- 正常な細胞と混ざる
👉 これを**“モザイク”**と呼びます
📊論文のポイント
👉 胎盤と赤ちゃんの違いは約0.2〜4%程度で起こる
❓「どうして検査結果がズレるの?」
👉 今回の研究で分かってきた重要な事実です
出産後の胎盤を詳しく調べたところ…
① 約6割で「胎盤にだけ異常」があった
- 31例中18例(約58%)
👉 NIPTの異常は胎盤で確認
👉 赤ちゃんは正常なケースも多い
② 約4割は「胎盤でも見つからない」
👉 胎盤の中でも
- 部分的にしか異常がない
- 見つからない場所もある
👉 胎盤は均一ではない(モザイク)
③ 一番重要:赤ちゃんは「別の異常」を持つことも
👉 研究では
- NIPTとは違う異常が赤ちゃんにあるケースも確認
- 約39%で複雑なモザイク構造
🧠イメージすると…
(論文2ページの図の内容)
- 胎盤(外側)
- 赤ちゃん(内側)
👉 同じ受精卵からできるけど
👉 途中で分かれて別々に変化する
❓「これって妊娠にどう関係するの?」
👉 着床や成長に関係する可能性
👉 胎盤は赤ちゃんに栄養を送る役割
👉 胎盤の異常は発育や妊娠経過に影響することもある
✔ 検査結果の“解釈”が重要
👉 NIPTで異常が出ても
- 赤ちゃんは正常なことがある
- 逆に別の問題があることもある
👉 1つの結果だけで判断しないことが大切
❓「どうすればよいの?」
👉 論文からの重要なメッセージです
🩺今後の考え方
✔ 精密検査は「広く調べる」
👉 ピンポイントではなく全体を見る検査(網羅的検査)が重要
✔ 胎児の検査が最も重要
👉 胎盤ではなく赤ちゃん自身を直接調べる検査が必要
✔ カウンセリングの質が重要
👉 「この異常だけを見る」のではなく
- 他の可能性
- モザイクの可能性
👉 全体像で説明することが必要
🌱まとめ
今回の研究から分かること👇
✔ NIPTはとても有用な検査
✔ ただし「胎盤の情報」である
✔ 胎盤と赤ちゃんは一致しないことがある
✔ ときにもっと複雑な状態が隠れている
💬さいごに
妊娠は、実はとてもダイナミックなプロセスです。受精卵から始まった細胞が
少しずつ分かれ、役割を持ち、変化していきます。今回の研究は「その途中で何が起きているか」を見せてくれた研究です。だからこそ 検査結果は「点」ではなく「ストーリー」で考えることが大切です。
📚出典(MLA形式)
Thomsen, S.H., et al.
“Studies of post-partum placentas provide insights into the origin of structural chromosomal aberrations.”
Human Reproduction, vol. 41, no. 2, 2026, pp. 168–177.
