【津高本院】不妊治療のページです
子宮内膜症と妊活、“本当の見通し”を考える最新データ
子宮内膜症は、本来は子宮内腔の表面だけにある子宮内膜が、卵巣や骨盤など異所性にある疾患です。悪性疾患(がん等)ではありませんが、月経困難症や不妊との関りが指摘されています。
「子宮内膜症があっても妊娠できますか?」という疑問に、大規模研究が答えました。子宮内膜症と診断されると、
😢 「妊娠できるのかな…」
😢 「手術したら妊娠しやすくなる?」
😢 「体外受精が必要?」
と不安になる方はとても多いです。
今回の論文では、フィンランド全国データを用いて、「子宮内膜症手術後、実際にどれくらい出産できたのか」が詳しく調べられました。

どんな研究だったの?
研究では、
👩 15〜49歳
👩 子宮内膜症の手術を受けた
👩 まだ出産経験のない女性
9,590人を対象にしています。
そして、
🌸 腹膜型
🥚 卵巣型(チョコレート嚢胞)
🔵 深部子宮内膜症
など、タイプ別に解析しました。
結果①
半数以上が出産していた
👶 研究では、54.1%の女性が、子宮内膜症手術後に初めて出産していました。
つまり、「子宮内膜症=妊娠できない」ではない、ということです。
結果②
“タイプ”によって妊娠しやすさは違った
🌸 最も良好だったのは、腹膜型子宮内膜症でした。
🔵 卵巣型(卵巣チョコレート嚢胞)深部子宮内膜症では、出産率が低めでした。
なぜ卵巣型は妊娠しにくいの?
🥚 卵巣の癒着
🥚 卵巣機能低下
🥚 卵巣予備能低下
などが影響している可能性が研究では説明されています。
⚠️ さらに、手術による卵巣ダメージも関係する可能性があります。
やはり“年齢”はとても重要
🥚研究で特に強調されていたのが、 年齢です。
🥚若い年齢ほど出産率が高く、 年齢が上がると低下していました。
これは、
🥚 卵子数
🥚 卵子の質
の変化が関係すると考えられます。
不妊治療を受けた人はどうだった?
👩 研究では、約45.6%の女性が、「不妊症」の記録を持っていました。
🧫 さらに、約36.7%が、 IVF(体外受精)を受けていました。
✨ つまり、適切な不妊治療につながることが、出産に大きく関係していた可能性があります。
“不妊症と診断された人の方が良い結果”って本当?
✨ 興味深いことに、「不妊症」と記録されていた女性の方が、出産率が良かった
という結果もありました。論文では、
💡 「早く専門医につながった」
💡 「体外受精へアクセスできた」
ことが関係している可能性が示されています。つまり、
✨ “早く相談すること”自体が、とても大切なのです。
でも「手術すれば妊娠率アップ」とは言えない
✨ ここは重要なポイントです。この研究は、「手術後にどうだったか」を調べた研究であり、「手術が妊娠率を上げた」とは証明していません。
つまり、
🩺 いつ手術するか
🩺 誰に手術するか
は、慎重な判断が必要です。
研究にも限界がある
論文では、
📌 データは“登録情報”ベース
📌 実際の病変の詳細までは分からない
📌 手術内容の違いは評価できない
という限界も説明されています。
例えば、
⚠️ 軽い癒着
⚠️ 重度癒着
⚠️ 卵巣ダメージ
などは、一人ひとり異なります。
今回の研究から分かること
📌 子宮内膜症があっても多くの女性が出産している
📌 年齢と病気タイプが重要
📌 IVFなど適切な治療アクセスが大切
📌 「早めに相談すること」が重要
📌 手術効果そのものを示した研究ではない
ことが示されました。
まとめ
👶 子宮内膜症でも妊娠・出産できる方は多い
🌸 腹膜型は比較的良好な成績
🥚 卵巣型は卵巣機能への配慮が重要
⏳ 年齢が妊娠率に大きく影響
🏥 早期相談と適切な不妊治療が大切
「子宮内膜症だからもう無理…」と、一人で抱え込まないでください。
🌱 “早めに知ること”
🌱 “早めに相談すること”
が、未来の選択肢を広げる第一歩になるかもしれません。
📚出典
Bacal V, Lindheim SR, Pereira N.
Register, diagnose, deliver—the story of first birth after endometriosis surgery told in International Classification of Diseases codes.
Fertility and Sterility. 2026;125(4):624-625.