臨床研究のお知らせ:
岡山二人クリニックで2022年4月1日から2026年7月31日までの期間に
採卵周期に単一分割胚移植を予定していた患者さまへ
今回、当院では「分割胚移植における正常初期卵割の重要性」と題する臨床研究を行います。対象となる患者さまは、岡山二人クリニックで2022年4月1日から2026年7月31日までに採卵周期での単一分割胚移植を予定していた方です。研究の期間は倫理委員会承認日から2027年12月31日です。
長年、移植胚の選択には形態学的評価が用いられてきました。近年、タイムラプスの導入により胚の動態を観察できるようになり、従来の形態学的評価に加え新たな胚選択の指標が導入されています。Direct Cleavage(DC)は、初期卵割時に1つの細胞から3つ以上の細胞へ分割、または5時間以内に再分割が起こる異常分割の一つです。DCが観察された胚は、正常分割胚より胚盤胞到達率が低く、分割胚移植時の妊娠率や出産率が低いとの報告があります。一方で、胚盤胞になれば妊娠率に差はないとの報告もあります。
当院では、治療開始時に作成された治療計画書に基づき、採卵周期での分割胚移植を行っています。2024年5月31日まではDCの有無を胚選択の基準の一つとして取り扱っており、胚選択の際には非DC胚を優先していましたが、DC胚のみであった場合はグレードにより胚移植を行っていました。2024年6月1日以降は、DCの有無を移植可能胚の選択基準に組み込み、DC胚の分割胚移植を行わないこととしました。また、2022年4月から不妊治療への保険適応が開始され、保険での移植回数に上限が設けられました。そのため、妊娠の可能性の高い胚をより早期に移植することが重要となりますが、DC胚の分割胚移植を行わないことが妊娠成立までの胚移植回数に及ぼす影響は不明です。
本研究では、分割胚移植における正常初期卵割の重要性を検討することを目的としています。2022年4月1日から2024年5月31日までは採卵周期にDC胚しかなく分割胚移植を行った方、2024年6月1日以降は分割胚移植が中止となった採卵周期に凍結した胚盤胞を、別周期に融解し移植した方を対象とします。全体で約100名の患者さまにご協力をいただく予定です。
この研究は、治療介入を伴わない診療録のみを用いた、後方視的観察研究であるため、期間外の個人情報は収集致しません。使用する診療情報は、妊娠結果に関してです。岡山二人クリニックデータベースから個人情報を削除した後、解析されます。個人情報が外部に漏れることはありません。
本研究の対象となる患者さまで、本研究に参加を希望されない方は、2027年6月30日までに拒否の意思を下記までご連絡下さい。その場合でも患者さまに不利益が生じることはありません。この期間以降は誰の情報か分からない状態にして解析が開始されますので、患者さまの情報を削除することができなくなります。
研究に関して御質問のある方は、いつでも下記までご一報ください。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し付けください。
研究機関名医療法人社団 岡山二人クリニック
所在地〒701-1152 岡山市北区津高285-1
電話番号086-256-7717
Fax番号086-256-7667
電子メールinfo@futari.or.jp
実施責任者岡山二人クリニック 院長 羽原 俊宏
主任研究者岡山二人クリニック 技術部 川原 結貴