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卵管鏡下卵管形成術(FT)について

卵管は卵子と精子が受精する大切な場所です。子宮卵管造影などにより、卵管が詰まっていたり、狭くなっているなど、妊娠の障害になっている所見がある場合は、そのことを取り除かなければ、タイミング法や人工授精では妊娠できません。そのことを改善できる可能性があるのが、卵管鏡下卵管形成術(FT)という治療法です。FTにより卵管の疎通性が改善されれば、自然妊娠に繋がる可能性があります。尚、体外受精は、卵管に障害が残っていても妊娠を可能とする治療法です。

FTの特徴

  1. 日帰り治療予定です(術後の経過によっては1泊入院になる可能性もあります)
  2. 膣から子宮腔を介してのアプローチで、腹部に傷などは残りません
  3. 卵管の疎通性が改善し、自然妊娠できる可能性があります
  4. 健康保険が適応されます

FTの適応

  1. 卵管間質部(卵管と子宮の連結部)に、片側・両側に閉鎖・強い狭窄など妊娠を障害する原因がある。 (卵管間質部(卵管と子宮の連結部)以外の卵管病変はFT適応にはならない。)
  2. 卵管閉鎖または狭窄の原因が器質的病変(子宮筋腫やその他の病変)によるものではない
  3. 高度な精子異常はない(タイミング法または人工授精で妊娠が可能と判断される)
  4. 抗精子抗体陽性例は、FT適応にはならない
  5. 女性加齢(38歳以上)、残存卵子数減少(抗ミュラー管ホルモンAMH低値)、子宮筋腫(大・多)、子宮内膜症など、他の因子がある場合は、FTは勧められない
  6. 6か月以内の末梢血液一般・B型肝炎、C型肝炎、梅毒、クラミジアIgAの検査結果がある
  7. 事前に子宮鏡により、子宮内腔の確認済である。子宮内への挿入困難例はFT実施不可能

施術の流れ

  1. 術前に子宮頚管を拡張します
  2. 静脈麻酔を行います
  3. 無意識に身体を動かすことがあるので抑制帯を使用し、呼吸抑制に対する配慮で生体監視装置を装着します
  4. 術中疼痛処置として鎮痛剤注射をします
  5. 子宮内腔に子宮鏡を挿入し、卵管口を確認しつつ、FTカテーテルを挿入します
  6. 卵管口からバルーンと卵管鏡を挿入し、卵管口から6cmまでの卵管内を進めます
  7. 卵管口から6cmまで挿入した後、卵管鏡で卵管内を観察します
  8. 術後疼痛処置として坐薬を使用します
  9. 感染予防のために、抗生物質を内服します

治療の効果

  1. 卵管の開通率は80%以上、他に不妊原因がなければ、妊娠成立の可能性が高まります
  2. FT後の症例あたりの妊娠率は30%前後と考えられますが、年齢や原因により大きく異なります
  3. FTが実施できない、FT実施しても疎通性が改善されない可能性があります

手術後の治療

  1. 疎通性が改善されない場合、疎通性が回復しても妊娠が成立しない場合は、体外受精をお勧めします
  2. 疎通性が回復しても、6か月以上経過しても妊娠が成立しない場合は、体外受精をお勧めします

リスクと副作用

  1. 器具による子宮頚管の把持や牽引、卵管鏡の挿入に伴い、ある程度の出血や疼痛があります
  2. 卵管鏡の挿入時に、卵管壁の穿孔などの合併症を生じる可能性があります
  3. 感染症があれば、再燃や拡大する可能性があります
  4. 麻酔薬や鎮痛剤、予防的に投与する抗生物質にアレルギー反応が見られる場合があります

手術費用

  1. 卵管閉鎖(間質部)の診断での実施は、保険適応があり費用の7割については公的な補助があります。 生殖補助医療(体外受精・顕微授精)は保険診療の対象にはなりませんが、特定不妊治療費助成事業 で補助金の対象になる場合があります
  2. 高額療養費制度の対象となりますので、事前に認定証の申請と交付があれば限度額(金額は個人の所得 に応じて異なる)までの負担になります。事前に手続きがない場合はいったん窓口で支払い後、高額 療養費の支給申請をすれば限度額との差額が後日、支給されます
  3. 民間の任意保険の支払いの対象となります。 民間保険にご加入の方で、FTが支払いの対象となる方は、申請書類を提出してください。書類作成は 2~3週間必要となりますので、ご了承ください

留意点について

  1. FTを受けたとしても、必ずしも疎通性が改善されない場合があります
  2. FTで疎通性が改善されない場合にも費用は発生します
  3. 当院では腹腔鏡を併用してのFTは行っておりません